時代小説●文庫新刊情報|2022年7月上旬の新刊(1日→10日)
2022年7月1日から7月10日の間に、文庫で刊行される時代小説の新刊情報リストです。新刊の各タイトルは、Amazon.co.jpの詳細紹介ページにリンクを張っています。
→新刊情報リストを見る
文春文庫
川越宗一さんの『熱源』
日本人にされそうになったアイヌ、ヤヨマネクフ(山辺安之助)と、ロシア人にされそうになったポーランド人民俗学者ブロニスワフ・ピウスツキが、樺太(サハリン)。文明を押し付けられ、それによってアイデンティティを揺るがされた経験を持つ二人が、樺太で出会い、自らが守り継ぎたいものの正体に辿り着きました。
2020年第162回直木賞受賞作。
岡本さとるさんの『悲愁の花 仕立屋お竜』
表の顔は腕の良い仕立職人、裏の顔は達人に仕込まれた剣術で悪を成敗する「地獄への案内人」のお竜が胸のすく活躍を見せる、『仕立屋お竜』の第二巻。「隠居の文左衛門」が「地獄への案内人」を結成するきっかけになった事件が明らかになります。
安部龍太郎さんの『海の十字架』
日本初のキリシタン大名となった大村純忠は、なぜ改宗に踏み切ったのでしょうか? イエズス会と大村家の関わりと、貿易港「長崎」誕生秘話を描く表題作ほか全6編を収録。戦国武将たちの運命を変えた、大航海時代と関連付けたまったく新しい戦国史観で綴る短編集です。
田牧大和さんの『想い出すのは 藍千堂菓子噺』
父の死後、江戸でも名店と謳われる菓子屋「百瀬屋」の晴太郎と幸次郎兄弟は、叔父に実家を追われ、小さな菓子司「藍千堂」を営みます。晴太郎が佐菜と結婚して男所帯だった藍千堂の暮らし向きは華やかになりましたが、そんな折に、叔父の百瀬屋清右衛門が病に倒れ……。江戸菓子の魅力と人情がたっぷり詰まった、シリーズ第4弾。
中路啓太さんの『昭和天皇の声』
皇道派VS.統制派、二・二六事件、共産党員から天皇主義者へ転身……、男たちの耳にこだまする、幾つもの「天皇の声」とは? 昭和史の一コマを活写する連作短編集。
PHP文芸文庫
細谷正充さん編の『家康がゆく 歴史小説傑作選』
2023年NHK大河ドラマ「どうする家康」の主人公として、再び脚光を浴びる徳川家康。
青年期から戦の日々、天下人となり最期を迎えるまでを、松本清張、新田次郎、宮本昌孝、伊東潤、木下昌輝、武川佑という人気の小説家6人による、描く珠玉のアンソロジーです。
葉室麟さんの『暁天の星』
坂本龍馬に愛され、認められた男・陸奥宗光。
そんな彼の才能に目を留め、花開かせたのは、時の総理大臣・伊藤博文でした。外務大臣として入閣した陸奥は、日本を欧米列強に伍する国家にすべく奔走し、不平等条約の改正に尽力します。
本書は、著者が最期に「これだけは書いておきたい」と願い、病と闘いながら綴った未完の長編小説。
徳間文庫
梶よう子さんの『とむらい屋颯太』
新鳥越町二丁目の「とむらい屋」で、葬儀の段取りをする颯太は、仲間たちの力を借りながらも、色恋心中、幼なじみの死、赤ん坊の死と様々な別れに向き合います。
十一歳の時、弔いを生業にすると心に決めた颯太。そのきっかけとなった出来事とは――。
江戸のおくりびとたちを鮮烈に描いた感動の人情物語。
!おすすめ度
★:読みたい/入手したい
■:新装版/復刊
♪ :気になる/チェックしたい
◎:文庫書き下ろし
●7月1日発売 幻冬舎 | |||||
『悪女万華鏡』 | 花山天女 | ||||
●7月5日発売 河出書房新社・河出文庫 | |||||
『十三角関係:山田風太郎傑作選 推理篇』 | 山田風太郎 | ||||
●7月6日発売 小学館・小学館文庫 | |||||
♪ | 『十手家業 かぎ縄おりん』 | 金子成人 | |||
『死神の初恋 愛満つる夜に願いを』 | 朝比奈希夜 | ||||
♪ | 『人情江戸飛脚 雪の別れ』 | 坂岡真 | |||
●7月6日発売 文藝春秋・文春文庫 | |||||
★ | 『熱源』 →記事:「2022年7月上旬の新刊(文庫)」をアップ |
川越宗一 | |||
★ | 『悲愁の花 仕立屋お竜』 | 岡本さとる | |||
★ | 『海の十字架』 | 安部龍太郎 | |||
★ | 『想い出すのは 藍千堂菓子噺』 | 田牧大和 | |||
★ | 『昭和天皇の声』 | 中路啓太 | |||
♪ | 『八丁越 新・酔いどれ小籐次(二十四)』 | 佐伯泰英 | |||
●7月7日発売 PHP研究所・PHP文芸文庫 | |||||
★ | 『家康がゆく 歴史小説傑作選』 →記事:2023年大河ドラマ主人公、徳川家康を楽しむアンソロジー |
細谷正充編 | |||
♪ | 『お銀ちゃんの明治舶来たべもの帖』 | 柊サナカ | |||
★ | 『暁天の星』 →記事:龍馬の理想を胸に、欧米列強と闘った外交官・陸奥宗光を描く |
葉室麟 | |||
●7月7日発売 幻冬舎・幻冬舎時代小説文庫 | |||||
♪ | 『番所医はちきん先生 休診録四 花の筏』 | 井川香四郎 | |||
●7月7日発売 朝日新聞出版・朝日文庫 | |||||
■ | 『再会 慶次郎縁側日記』 | 北原亞以子 | |||
●7月7日発売 文理閣 | |||||
『治水神・禹王探求の10年』 | 創立10周年記念誌世話人会 | ||||
●7月8日発売 徳間書店・徳間文庫 | |||||
★ | 『とむらい屋颯太』 | 梶よう子 | |||
●7月8日発売 法蔵館・法蔵館文庫 | |||||
『明治維新と宗教』 | 羽賀祥二 | ||||
●7月10日発売 コスミック出版・コスミック時代文庫 | |||||
『お毒見役みだら帖 洋鬼事変』 | 睦月影郎 | ||||
『殿さま忍者 海賊王の帰還』 | 聖龍人 | ||||
♪ | 『相棒は副将軍 雨中の黒船』 | 早見俊 | |||
『若殿はつらいよ 黄金の肌』 | 鳴海丈 |
↑ 新刊情報Topへ|← 2022年6月の新刊 下(21日→月末) |2022年7月の新刊 中(11日→20日) →