時代小説●文庫新刊情報|2022年6月上旬の新刊(1日→10日)
2022年6月1日から6月10日の間に、文庫で刊行される時代小説の新刊情報リストです。新刊の各タイトルは、Amazon.co.jpの詳細紹介ページにリンクを張っています。
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潮文庫
小島環さんの『災祥』
皇帝の息子、朱由検はある日、何者かに井戸へ突き落とされ生死を彷徨います。目を覚ました時、そこには見たことがない一人の女性が立っていました。彼にしか見えず、敵か味方かもわからない謎の美女・懐允に惹かれていきます。明代末期の王宮を舞台にした、史実とファンタジーを織り交ぜた物語。
朝日文庫
木内昇さんの『化物蝋燭』
当代一の影絵師・富右治に大店から持ち込まれた奇妙な依頼とは? 引越てきた夫婦をめぐって、長屋連中はみな怖気を震うことに。その正体は何? 恐ろしいのは人の心か、人でないものでしょうか。江戸の市井を舞台に描く、切なくもはかない、七つの大江戸奇譚集。
文春文庫
岡本さとるさんの『仕立屋お竜』
表の顔は腕の良い仕立職人、裏の顔は達人に仕込まれた剣術で悪を成敗する「地獄への案内人」。仕立屋お竜の活躍を描く痛快時代小説の開幕です。
第一話は、いたいけな少女・おしんがお竜と名を変えて「地獄への案内人」の道を歩むまでが描かれています。
あさのあつこさんの『飛雲のごとく』
少年剣士の清々しい友情と成長を描く、“小舞藩”シリーズの第二弾。第一弾の『火群のごとく』から四年。十六歳になった林弥は元服の儀を済ませ、新里家の当主となりました。樫井家を継ぐために江戸から小舞藩へ戻ってきた透馬は、家臣として林弥を重用することを決意します…。
佐藤巖太郎さんの『将軍の子』
二代将軍徳川秀忠の庶子保科正之は、初代会津藩主であり、異母兄の家光に信頼され、四代将軍・家綱を後見として支えました。正之の少年期から壮年期を鮮やかに描き出す連作短編集。
千葉ともこさんの『震雷の人』
文官を目指しながら、信念を変えずに敵陣の刃に倒れた青年・顔季明。許婚の采春はその仇討ちを計り、興行一座に身を隠す。一方、采春の兄・張永は、季明の遺志を継ぎ、皇帝のいる都へと向かいます。唐の歴史の渦に巻き込まれる妹と兄。2020年、第27回松本清張賞受賞作、待望の文庫化。
宝島社文庫
乾緑郎さんの『ねなしぐさ 平賀源内の殺人』
本草学者で医学や蘭学、鉱物の知識にも明るく、戯作者、発明家といったよろずの才を持つ平賀源内。ある朝、彼が自宅で目を覚ますと、部屋には男の亡骸が転がっていました。知らせを受けて駆けつけた杉田玄白の前には、脇差を手に持ち、茫然自失とする源内の姿がありました。稀代の天才の死の謎に挑む歴史ミステリー。
PHP文芸文庫
小田菜摘さんの『後宮の薬師(二)平安なぞとき診療日記』
平安時代の後宮で女医(薬師)として働く瑞蓮が難事件を解決していく、シリーズ第2弾。後宮の姫や女房たちの最大の関心事は、誰が次期東宮の子を産むのかということ。そんな中で、瑞蓮は帥の宮の妃・大姫から不妊の相談を受けました。治療法について悩む瑞蓮に対し、博識な施薬院の医官・丹波康頼と、陰陽寮の学生で瑞蓮を慕う安倍晴明が道を示してくれました。
幻冬舎時代小説文庫
伊東潤さんの『茶聖(上・下)』
真の芸術家か、戦国最大の影の立役者か。安土桃山時代に「茶の湯」を完成させ、天下人・豊臣秀吉の側近くに仕えながらも、非業の最期を遂げた千利休。革命的な価値創造への執念と矜持。史料を駆使して、その切腹の真相に迫る戦国大河ロマン。
井原忠政さんの『うつけ屋敷の旗本大家』
旗本の大矢家の当主小太郎は、堅物の朴念仁。甲府から五年ぶりに江戸へ帰ると、博打で借金を作った父官兵衛が、返済のために屋敷内で貸家を始めていました。しかも住人は、借家で賭場を開くゴロツキや、倒幕思想を持つ国学者など曲者揃い。そんな時、老中から条件付きで、小太郎の出世を約束してもらうのですが……。「三河雑兵心得」が好調の著者による待望の新シリーズ。
金子成人さんの『小梅のとっちめ灸』
面倒見がよく腕のいい小梅と、ぐうたらだが憎めない母・お寅が営む灸据所「薬師庵」は、心身に気懸りのある人で大賑わい。ある日、小梅の親しい料理屋が不当な取り締まりに遭いました。どうにも納得できずにその背景を探ると、江戸に蠢めく悪党どもの思惑が見えてきて……。灸を据えるべき真の敵は誰なのか? 怒りの艾に火が点る、新シリーズがスタートします。
角川文庫
宮部みゆきさんの『黒武御神火御殿 三島屋変調百物語六之続』
「三島屋変調百物語」シリーズ第6弾。江戸は神田の袋物屋三島屋で続く、一風変わった百物語。これまでの聞き手のちかが嫁に行き、新たな聞き手は伊兵衛の次男・富次郎に。三島屋のお勝、古参の女中おしま。この三人で語り手を迎え、新たな百物語の幕が開きます。
仁木英之さんの『モノノ怪 執』
猪苗代湖畔の天守に夜になると現れる姫、深川の長屋住まいのつくり花師を取り込んだ妖狐、本郷前田藩の屋敷近くに出る顔をはぐ怪物など。モノノ怪あるところに妖しき薬売りが現れ、”退魔の剣”でモノノ怪を斬ります。
斬新な世界観で多くのファンを魅了した和製ホラーアニメ『モノノ怪』に登場する謎多き薬売りのスピンオフ小説、全6話。
千野隆司さんの『新・入り婿侍商い帖 お波津の婿(一)』
新米の季節がやってきて、米問屋羽前屋の主人・善太郎は関宿へ向かう途中の江戸川で、火の玉のように燃える大船を目撃しました。祟りや怨霊説が囁かれる中、善太郎は真相を調べることに。大黒屋では、跡取り娘・お波津の婿探しが始まりましたが、お波津はどこか冷めていて……。波瀾の新章開幕!
祥伝社文庫
辻堂魁さんの『春風譜 風の市兵衛 弐』
市兵衛は我孫子宿近くの村を訪れていました。小春の兄の又造が、妹と≪鬼しぶ≫の息子・良一郎との縁談を知り家出したのを、迎えに出たのです。ところが、又造は訪ね先の親戚ともども行方知れず。同じ頃、村近くで宿の貸元と、流れ者の惨殺体が発見されました。近在では利根川の渡船業等の利権争いで、貸元たちが対立する中、市兵衛は失踪人探索を始めますが……。
ハヤカワ時代ミステリ文庫
赤星あかりさんの『居酒屋こまりの恋々帖 ときめきの椿揚げ』
“闇うさ”なる髪結い師が江戸を騒がせていました。極上の化粧を女に施すのだが、朝に化粧のおちた女の顔を見ると男は心が完全に離れ、女は破滅するのだといいます。そんなとき、夫の不義を悩み何も食べなくなった女が居酒屋小毬屋に。元夫への恋慕が残るこまりには気持ちがわかり、料理で女の食欲を刺激しようとします。居酒屋に持ち込まれる難
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