時代小説●文庫新刊情報|2021年12月中旬の新刊(11日→20日)
2021年12月11日から12月20日の間に、文庫で刊行される時代小説の新刊情報リストです。新刊の各タイトルは、Amazon.co.jpの詳細紹介ページにリンクを張っています。
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今回は、時代小説文庫が楽しみです。
櫻部由美子さんの『神のひき臼 出直し神社たね銭貸し』。
人生をやり直したいと願う人々が、再起のきっかけとなる縁起の良い〈たね銭〉を授かりに訪れる〈出直し神社〉。うしろ戸の婆と呼ばれる老女と不器量だが働き者の娘・おけいが神社を守ります。ハートウォーミングな人情物語の第2弾です。
柴田よしきさんの『あんの夢 お勝手のあん』。
颶風の高波に品川の街は呑みこまれてしまいました。品川宿の宿屋「紅屋」も、強風で屋根も二階の壁も壊れて、紅屋は建て替えのため二ヶ月の休業が決まりました。やすは深川の煮売屋へ、料理修業にでることに……。大好評シリーズの第五弾。
講談社文庫の新刊にも食指が動きます。
三國青葉さんの『損料屋見鬼控え 3』。
損料屋の又十郎は霊が見えて、困っている霊をほっとけません。そして、妹の天音は霊の声を聞き取る能力を持っています。「見える兄と聞こえる妹」として、江戸では少し有名となった二人のもとには、親しい者の霊を成仏させたいと願う人たちが訪れます。待望のシリーズ第3弾。
武川佑さんの『虎の牙』。
武田信玄の父・信虎の謎の弟、勝沼信友は「山の民」として育てられました。一方、原虎胤は、その武勇から「鬼美濃」と恐れられ、外様ながら家中で重きをなしていきます。甲斐の統一を目指す武田信虎を挟んで、二人の男が戦場を駆け巡ります。最強武田のルーツを描く歴史長編。
双葉文庫も気になる作品が勢ぞろい。
芝村凉也さんの『北の御番所 反骨日録【三】-蝉時雨』。
怪我で静養中の来合轟次郎に代わって、定町廻りのお役を勤めることになった裄沢広二郎。深川入船町でお上の御用を勤めているという亥太郎が、手札を頂戴したいと裄沢に声をかけてきました……。本格奉行所小説シリーズの第3弾です。
永井紗耶子さんの『華に影 令嬢は帝都に謎を追う』。
明治三十九年、帝都東京。男爵家の令嬢・斗輝子は、伯爵家で行われた夜会に祖父の男爵の名代として出席しました。しかし夜会の最中に伯爵が毒殺されてしまいます。
不当な疑いをかけられた斗輝子は書生とともに事件に隠された大きな秘密に挑みます。
『商う狼 江戸商人杉本茂十郎』で注目の著者の明治ミステリー。
※本書は2014年、幻冬舎文庫より刊行された『帝都東京華族少女』を改題し、大幅に加筆修正したもの。
千野隆司さんの『おれは一万石(19)-尚武の志』。
野分により人足寄場が壊滅的な被害を受けました。幕閣の間ではこのまま廃止との声が上がる中、反対の立場を取る尾張藩主徳川宗睦と大奥御年寄滝川の意を受けた正紀は、人足寄場再建に奔走する火盗改役の長谷川平蔵に力を貸すことに……。正紀と平蔵の邂逅の行方が気になるシリーズ第19弾。
!おすすめ度
★:読みたい/入手したい
■:新装版/復刊
♪ :気になる/チェックしたい
◎:文庫書き下ろし
●12月14日発売 光文社・光文社文庫 | |||||
♪ | 『服部半蔵の犬 奇剣三社流 望月竜之進』 | 風野真知雄 | |||
♪ | 『師匠 鬼役伝 二』 | 坂岡真 | |||
■ | 『鬼火の町』 | 松本清張 | |||
■ | 『縁むすび 研ぎ師人情始末 十四 決定版』 | 稲葉稔 | |||
●12月15日発売 PHP研究所・PHP文芸文庫 | |||||
♪ | 『文蔵2022.1・2』 →記事:『文蔵2022.1・2』ブックガイドは「ものづくり」小説 |
「文蔵」編集部編集 | |||
●12月15日発売 角川春樹事務所・時代小説文庫 | |||||
♪ | 『団十郎菓子 料理人季蔵捕物控』 | 和田はつ子 | |||
★ | 『神のひき臼 出直し神社たね銭貸し』 | 櫻部由美子 | |||
★ | 『あんの夢 お勝手のあん』 | 柴田よしき | |||
●12月15日発売 講談社・講談社文庫 | |||||
『霊獣紀 獲麟の書(下)』 | 篠原悠希 | ||||
★ | 『損料屋見鬼控え 3』 →記事:「見える兄と聞こえる妹」が幽霊の無念を晴らす人情時代小説 |
三國青葉 | |||
★ | 『虎の牙』 →記事:「2021年12月中旬の新刊(文庫)」をアップ |
武川佑 | |||
●12月16日発売 双葉社・双葉文庫 | |||||
♪ | 『蘭方医・宇津木新吾(14)-間者』 | 小杉健治 | |||
★ | 『北の御番所 反骨日録【三】-蝉時雨』 →記事:友に代わり定町廻りとなった裄沢に、危難が次々襲いかかる |
芝村凉也 | |||
『文豪怪奇コレクション 綺羅と艶冶の泉鏡花〈戯曲篇〉』 | 泉鏡花 | ||||
■ | 『照れ降れ長屋風聞帖【十六】-妻恋の月〈新装版〉』 | 坂岡真 | |||
★ | 『華に影 令嬢は帝都に謎を追う』 →記事:華族令嬢と書生が伯爵毒殺事件の真相に挑む、明治ミステリー |
永井紗耶子 | |||
★ | 『おれは一万石(19)-尚武の志』 →記事:長谷川平蔵の人足寄場再建のため、剣術大会を開催せよ |
千野隆司 | |||
●12月17日発売 幻冬舎 | |||||
『継体大王異聞[文庫改訂版]』 | 讃紫雲 | ||||
●12月17日発売 三笠書房・知的生きかた文庫 | |||||
『執権 北条義時: 危機を乗り越え武家政治の礎を築く』 | 近藤成一 | ||||
●12月17日発売 集英社・集英社文庫 | |||||
♪ | 『天から落ちてきた相撲取り 元禄八犬伝 四』 | 田中啓文 | |||
♪ | 『真実の航跡』 | 伊東潤 | |||
●12月17日発売 岩波書店・岩波文庫 | |||||
『拾遺和歌集』 | 小町谷照彦、倉田実校注 | ||||
●12月20日発売 早稲田大学出版部 | |||||
『論語集解: ―魏・何晏(集解) (上)』 | 渡邉義浩訳 | ||||
『論語集解: ―魏・何晏(集解) (下)』 | 渡邉義浩訳 |
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