時代小説●文庫新刊情報|2021年11月中旬の新刊(11日→20日)
2021年11月11日から11月20日の間に、文庫で刊行される時代小説の新刊情報リストです。新刊の各タイトルは、Amazon.co.jpの詳細紹介ページにリンクを張っています。
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双葉文庫からは、坂岡真さんの『はぐれ又兵衛例繰控【四】-密命にあらず』が出ます。
平手家の門前におつたと名乗る鳥追の女が現れました。女は七年前、無理心中を強いられ苦しんでいたところを、又兵衛の父に救われたのだと。ところが、父が亡くなったのは十一年前。困惑する又兵衛だが……。
馳月基矢さんの『伏竜 蛇杖院かけだし診療録』が祥伝社文庫から刊行されます。
漢方医の真樹次郎、蘭方医の登志蔵、拝み屋の桜丸、女主・玉石。優秀なのに一癖も二癖もある面々がそろった診療所が、江戸のパンデミックへ立ち向かう、新感覚の医療小説。
時代小説ではありませんが、欲しい本が出ます。
菊地ひと美さんの『江戸衣装図絵 武士と町人』と『江戸衣装図絵 奥方と町娘たち』です。
江戸の服飾カラー大全。時代小説を読む側に置いて、視覚的なイメージを養いたいと思います。
光文社文庫の新刊にも食指が動きます。
岡本さとるさんの『五番勝負 若鷹武芸帖』。
公儀武芸帖編纂所頭取の新宮鷹之介が廃れていく武芸を調べていく、「若鷹武芸帖」シリーズの第9弾。今回は、将軍の命で、将軍の身の回りを警固する番方の腕前を調べることに。
風野真知雄さんの『宮本武蔵の猿 奇剣三社流 望月竜之進』。
新シリーズのテーマは「江戸の生き物」。様々な生き物や人物と巡り合いながら変わった事件に巻き込まれる奇剣三社流の遣い手・望月竜之進。
今月の講談社文庫も気になる作品があります。
山口雅也さんの『落語魅捨理全集 坊主の愉しみ』。
「花見の仇討」「品川心中」「時そば」など、名作古典落語をベースにした愉快痛快奇天烈な江戸落語ミステリー七編を収録。「魅捨理」は「ミステリ」と読みます。
矢野隆さんの『戦百景 桶狭間の戦い』。
有名な合戦を深掘りする、書下ろし歴史小説シリーズ第2弾は桶狭間の戦い。歴史の流れを変えた「日本三大奇襲」の一つ。なぜ奇跡は起きたのでしょうか、各武将の視点で思惑を描いていきます。
今月の集英社文庫は要チェックです。
奥山景布子さんの『義時 運命の輪』。
権力者の死、仲間の叛乱、数々の権謀術数、そして、叶わぬ憧れと恋。北条義時の半生を描く歴史小説。気鋭の時代小説家がどのように描くのか、大いに気になります。
三好昌子さんの『朱花の恋 易学者・新井白蛾奇譚』。
江戸時代に「八卦見の白蛾先生」と呼ばれ、京で名を馳せた易学者・新井白蛾と易具に秘められた巫女・朱姫の恋を描く時代小説。新井白石とは別人ですが、白蛾も朱子学を学び、その基礎理論に立脚して易学を復権し、加賀藩の藩校明倫堂の創設にかかわりました。
松井今朝子さんの『芙蓉の干城』。
江戸歌舞伎の大作者、三代目桜木治助の孫、桜木治郎は、木挽座そばで発見された男女の惨殺死体事件で、警察から捜査に協力を要請されて真相に迫っていくことに。戦争へと歴史の歯車が大きく動いた昭和八年を鮮烈に描き出す、圧巻の歌舞伎ミステリー。
西條奈加さんの『雨上がり月霞む夜』が中公文庫から刊行されます。
上田秋成は大火によって焼け出され、幼馴染の雨月が結ぶ庵に転がりこみます。がさつだが情に篤い秋成と、死者や妖しと交流する力を持つ雨月。二人は言葉を話す兎「遊戯」との出会いをきっかけに、不可思議な出来事の数々に巻き込まれていきます。
角川文庫の新刊にも注目しています。
梶よう子さんの『お茶壺道中』。
優れた味覚を持つ仁吉少年は、日本橋の〈森山園〉で日本一の葉茶屋を目指して奉公していた。ある日、大旦那に命じられ上得意である阿部正外の屋敷を訪ねると、そこで思いがけない出会いが待っていました。
近衛龍春さんの『島津豊久 忠義の闘将』。
関ヶ原の戦いで、主君を逃がすため、自らが犠牲となって敵陣に飛び込んだ若き武者、島津豊久。その知られざる半生を描いた書き下ろし長編歴史小説。
篠綾子さんの『青山に在り』。
川越藩国家老の息子、小河原左京はある日、城下の村にある道場で自分と瓜二つな農民の少年、時蔵に出会いました。一度は互いの出自を疑うが、次第に身分の差を超えた友情を育んでいきます。しかし世間は世直し一揆や農兵の導入に揺れ、激動の時代を迎えつつありました。
冲方丁さんの『麒麟児』。
慶応四年三月十四日、幕末最大の転換点、「江戸無血開城」。命を賭して成し遂げた二人の“麒麟児”の覚悟と決断を描く歴史長編。
!おすすめ度
★:読みたい/入手したい
■:新装版/復刊
♪ :気になる/チェックしたい
◎:文庫書き下ろし
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