時代小説●文庫新刊情報|2021年7月中旬の新刊(11日→20日)
2021年7月11日から7月20日の間に、文庫で刊行される時代小説の新刊情報リストです。新刊の各タイトルは、Amazon.co.jpの詳細紹介ページにリンクを張っています。
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光文社文庫の新刊では、上田秀人さんの『術策 惣目付臨検仕る(二)』。
惣目付となった水城聡四郎の前に現れた「敵」とは? 。標的は、老中でさえも一目置く奥右筆。さっそく動きだした聡四郎に、江戸城内では冷たい視線が突き刺さります。
奥右筆をどのように描くか興味深いです。
祥伝社文庫から、辻堂魁さんの『寒月に立つ 風の市兵衛 弐』が出ます。
公儀十人目付筆頭片岡信正の命による、越後津坂藩内偵をしていた、返弥陀ノ介が瀕死の重傷を負いました。唐木市兵衛は、友に代わり、譜代の大名家の跡継ぎをめぐる騒動の渦中に……。
梶よう子さんの『父子ゆえ 摺師安次郎人情暦』が<時代小説文庫から刊行されます。
『いろあわせ』に続く、「摺師安次郎人情暦」の第2作。女房のお初に先立たれ、子の信太をお初の実家に預けながらも、一流の職人として様々な浮世絵を摺く、摺師の安次郎を描く、人情時代小説。
双葉文庫の新刊も気になります。
千野隆司さんの『おれは一万石(17)-金の鰯』。
慢性的な藩財政難に頭を悩ます正紀は、鰯を加工した肥料である〆粕の相場で儲けを出そうと目論みます。しかし、銚子の干鰯〆粕魚油問屋と高岡藩先代藩主の意外な関係を知り――。
馳月基矢さんの『拙者、妹がおりまして(2)』。
おなごばかりを狙う女盗賊が現れました。岡っ引きの山蔵親分の必死の探索もむなしく、なかなか尻尾がつかめません。業を煮やした山蔵から、千紘におとりになってほしいと頼まれますが、勇実は心配でたまりません。勇実と千紘の兄妹を中心に描く青春時代小説第2弾。
今月は、集英社文庫の新刊が楽しみです。
小路幸也さんの『隠れの子 東京バンドワゴン零』。
江戸で子守をして暮らしている少女・るうと同心の堀田州次郎は、ともに「隠れ」と呼ばれる力を持っていました。下町の古本屋「東京バンドワゴン」を舞台にしたホームドラマの江戸版。
山田裕樹さん編集による、『智に働けば 石田三成像に迫る十の短編』。
「日本一の嫌われ者」と言われ、近年は再評価もされる石田三成とは、いかなる人物だったのでしょうか。名編集者のセレクションによる十人の実力派作家がその素顔に迫る、時代小説アンソロジー。錚々たる歴史時代小説作家に並んで、中島らもさんの名前がキラリと光ります。
植松三十里さんの『徳川最後の将軍 慶喜の本心』。
水戸藩慶喜は御三卿一橋家の養子となり、将軍後継争いに巻き込まれるが拒みます。斉昭に従い国は守りたいが……。書き下ろし歴史小説。大河ドラマ「青天を衝け」で今、注目される慶喜の素顔に迫ります。
角川文庫から、出水千春さんの『ふるさと美味旅籠 きららご飯と猫またぎ』。
品川の小さな旅籠「虎屋」のひとり娘・明日葉は、閑古鳥が鳴く店を盛り立てようと奮闘していました。ある日、飼い猫のお駒が隣の旅籠の主が大切にしていた砂絵を台無しにする騒動が……。心温まる料理と猫が紡ぐ、書き下ろし時代小説。
!おすすめ度
★:読みたい/入手したい
■:新装版/復刊
♪ :気になる/チェックしたい
◎:文庫書き下ろし
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