文庫●2021年7月上旬の新刊

時代小説●文庫新刊情報｜2021年7月上旬の新刊（1日→10日）

2021年7月1日から7月10日の間に、文庫で刊行される時代小説の新刊情報リストです。新刊の各タイトルは、Amazon.co.jpの詳細紹介ページにリンクを張っています。
→新刊情報リストを見る

村木嵐さんの『夏の坂道』が潮文庫から刊行されます。
言論や研究の自由が脅かされる時代に学問を守り抜き、戦後最初の東大総長となった南原繁の生涯を、歴史小説の手法で描いた長編小説です。アカデミズムが軽視される風潮が見られる今、読みたい一冊。

『三河雑兵心得足軽仁義』の著者、井原忠政さんの新作、『羆撃ちのサムライ』が河出文庫から出ます。
幕末維新の箱館戦争で敗れて傷を負い、すべてを失った男が、厳しい未開の大地で羆撃ちとなり、人として再生していく物語です。

文春文庫の新刊も要チェックです。

佐伯泰英さんの『一夜の夢照降町四季(四)』。
大火からの再建が急ピッチで進む照降町。町の復興の要となり、人々の支えとなっている周五郎だったが、小倉藩の派閥争いに巻き込まれ……。完結編です。

谷津矢車さんの『雲州下屋敷の幽霊』。
狂言作者・河竹黙阿弥のため、台本のネタ本を探す元絵師で新聞の編集人の幾次郎が集めた、江戸時代に起こった事件をモチーフにした五編の陰惨な戯作。
単行本『奇説無惨絵条々』を文庫化にあたり改題。

花房観音さんの『色仏』。
江戸末期の京都。北近江の十一面観音に魅せられた青年、烏は、僧になるため京の都にやってきましたが、観音像を彫るために仏の道を捨てました。著者初の官能時代小説。

文芸評論家の細谷正充さんのセレクションによる時代小説アンソロジー、『わらべうた〈童子〉時代小説傑作選』が出ます。
さまざまなテーマで、宮部みゆきさんをはじめ、活躍中の女性時代小説家の短編の競演が楽しめる、PHP文芸文庫の「時代小説傑作選」シリーズ。
西條奈加さん、澤田瞳子さん、中島要さん、梶よう子さん、諸田玲子さんと、豪華な顔ぶれによる、江戸の子供たちの世界。

！おすすめ度
★：読みたい／入手したい
■：新装版／復刊
♪ ：気になる／チェックしたい
◎：文庫書き下ろし

●7月1日発売　角川春樹事務所・時代小説文庫
♪	『親子の絆は永遠に親子十手捕物帳(7)』	小杉健治
♪	『父子剣踊る新剣客同心親子舟』	鳥羽亮
●7月1日発売　文芸社・文芸社セレクション
	『臥牛山麓の春 ―備中松山藩の維新』	髙田靖彦
●7月2日発売　扶桑社・扶桑社文庫
	『殿様は「明治」をどう生きたのか2』	河合敦
●7月5日発売　潮出版社・潮文庫
★	『夏の坂道』 →記事：「2021年7月上旬の新刊（文庫）」をアップ	村木嵐
●7月6日発売　小学館・小学館文庫
♪	『突きの鬼一饗宴』	鈴木英治
	『龍の後宮』	宮池貴巳
	『帝都千一夜美男のシェヘラザード』	三木笙子
♪	『親子鷹十手日和』	小津恭介
●7月6日発売　河出書房新社・河出文庫
★	『羆撃ちのサムライ』	井原忠政
●7月7日発売　文藝春秋・文春文庫
★	『一夜の夢照降町四季(四)』	佐伯泰英
★	『雲州下屋敷の幽霊』	谷津矢車
★	『色仏』	花房観音
●7月7日発売　朝日新聞出版・朝日文庫
■	『深尾くれない』	宇江佐真理
●7月8日発売　徳間書店・徳間文庫
■	『ぜえろく武士道覚書　討ちて候上』	門田泰明
■	『ぜえろく武士道覚書　討ちて候下』	門田泰明
■	『夢曳き船〈新装版〉』	山本一力
●7月9日発売　PHP研究所・PHP文芸文庫
★	『わらべうた〈童子〉時代小説傑作選』	細谷正充編
●7月9日発売　法蔵館・法蔵館文庫
	『改訂祇園祭と戦国京都』	河内将芳
●7月9日発売　コスミック出版・コスミック時代文庫
	『柔肌くずし蜜色大奥』	睦月影郎
	『殿さま忍者姫さま恋情剣』	聖龍人
♪	『密命将軍松平通春亡国の秘宝』	早見俊
●7月10日発売　青春出版社・青春文庫
	『図説地図で迫る古代日本のルーツ! 聖徳太子遺された七つの謎』	千田稔監修