時代小説●文庫新刊情報|2020年8月中旬の新刊(11日→20日)
2020年8月11日から8月20日の間に、文庫で刊行される時代小説の新刊情報リストです。新刊の各タイトルは、Amazon.co.jpの詳細紹介ページにリンクを張っています。
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お盆休みに当たる、8月中旬は、書店取次店や印刷所、出版社など、出版業界がお盆休みを取られることから、例年、新刊情報が手薄になる時季ですが、今年は曜日の配列の関係からか、見逃せない新刊が少なくありません。
祥伝社文庫から、辻堂魁さんの『残照の剣 風の市兵衛 弐』が出ます。
国替えをめぐり圧政が行なわれている武州川越藩に、《宰領屋》矢藤太と市兵衛が川越に赴きます。二十五年前の闇から浮かび出た市兵衛をつけ狙う殺生方の正体とは!
あさのあつこさんの『天を灼く』は、鮮烈な青春時代小説です。
父は豪商と癒着し藩を壟断したという咎で切腹。所払いとなった天羽藩上士の子・伊吹藤士郎の過酷な運命を描きます。
講談社文庫の新刊も注目です。
赤神諒さんの『大友二階崩れ』は、日経小説大賞受賞の歴史時代小説。
豊前豊後の大名大友家の当主義鑑が、嫡男・義鎮(後の宗麟)を廃嫡して愛妾の子・塩市丸を世継ぎに据えようとして起きた政変「二階崩れの変」を、大友家重臣の吉弘鑑理の眼を通して描いています。
冲方丁さんの『戦の国』は、戦国――激動の55年を、織田信長、上杉謙信、明智光秀、大谷吉継、小早川秀秋、豊臣秀頼ら六傑の視点から描いた連作短編小説集です。
夏原エヰジさんの『Cocoon 修羅の目覚め』は、第13回小説現代長編新人賞奨励賞受賞作品。
吉原の花魁・瑠璃は、江戸に跋扈する鬼を滅する闇組織・黒雲の頭領という裏の顔を持っていました。戦う花魁「Cocoon」シリーズの始まりです。
集英社文庫から、篠綾子さんの『桜小町 宮中の花』が刊行されます。
仁明天皇の更衣・小野小町は、宮中でも、美しい容貌でひときわ華やかに目立つ女官。謎多き“宮中の花”として、激動の時代を誇り高く生き抜いた女性を描きます。
!おすすめ度
★:読みたい/入手したい
■:新装版/復刊
♪ :気になる/チェックしたい
◎:文庫書き下ろし
●8月11日発売 講談社・講談社学術文庫 | |||||
『朝鮮仏教史』 | 鎌田茂雄 | ||||
『上杉謙信』 | 井上鋭夫 | ||||
『日本の修史と史学 歴史書の歴史』 | 坂本太郎 | ||||
●8月11日発売 筑摩書房・ちくま学芸文庫 | |||||
『アレクサンドロス大王物語』 | カリステネス | ||||
●8月12日発売 祥伝社・祥伝社文庫 | |||||
★ | 『残照の剣 風の市兵衛 弐』 →記事:国替えを企む圧政下、凶悪な横目殺生方から忠臣の父娘を護れ |
辻堂魁 | |||
♪ | 『はないちもんめ 福と茄子』 | 有馬美季子 | |||
★ | 『天を灼く』 →記事:父は切腹。運命に翻弄されながら、少年はただ明日を目指す |
あさのあつこ | |||
■ | 『必殺闇同心 四匹の殺し屋』 | 黒崎裕一郎 | |||
●8月12日発売 講談社・講談社文庫 | |||||
『永遠の旅人 天地の理』 | 中村ふみ | ||||
★ | 『大友二階崩れ』 →記事:戦国大友家を揺るがす御家騒動と重臣吉弘兄弟の義と愛を描く |
赤神諒 | |||
★ | 『戦の国』 →記事:「2020年8月中旬の新刊(文庫)」をアップ |
冲方丁 | |||
★ | 『Cocoon 修羅の目覚め』 →記事:ダークヒロイン誕生。吉原一花魁の裏の顔は、江戸の鬼退治人 |
夏原エヰジ | |||
●8月12日発売 コスミック出版・コスミック・時代文庫 | |||||
『乱愛五十三次 男装娘道中記』 | 鳴海丈 | ||||
♪ | 『無敵の殿様 さらば江戸』 | 早見俊 | |||
『天保艶犯科帖』 | 八神淳一 | ||||
『ひらり圭次郎 腕貸し稼業 乱心の罠』 | 氷月葵 | ||||
■ | 『豪剣 お庭番竜之介』 | 笹沢左保 | |||
●8月12日発売 河出書房新社・KAWADE夢文庫 | |||||
『本当は恐ろしい儒教: 人格を磨く信仰か、ゆがんだ支配思想か』 | 内藤博文 | ||||
●8月20日発売 集英社・集英社文庫 | |||||
★ | 『桜小町 宮中の花』 | 篠綾子 | |||
●8月20日発売 マイナビ出版・マイナビ文庫 | |||||
『幸せが授かる 日本の神様事典 ~あなたを護り導く97柱の神々たち』 | CR & LF研究所 |
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