文庫●2020年7月中旬の新刊

時代小説●文庫新刊情報｜2020年7月中旬の新刊（11日→20日）

2020年7月11日から7月20日の間に、文庫で刊行される時代小説の新刊情報リストです。新刊の各タイトルは、Amazon.co.jpの詳細紹介ページにリンクを張っています。
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双葉文庫から、千野隆司さんの『おれは一万石(13)-訣別の旗幟』が出ます。

松平定信の施政に疑問を抱きつつも協力してきた尾張徳川家一門だが、尊号事件を契機に定信政権との訣別を決めます。正国の奏者番辞任で一門の意を示そうとしたが、定信は正国を不祥事を理由の解任へと追い込もうとします……。

講談社文庫の新刊では、帚木蓬生さんの『襲来上・下』が楽しみです。

他宗派への攻撃を強め「立正安国論」を唱える日蓮の目となり耳となるために、鎌倉から京、博多さらに壱岐・対馬まで苦難の旅を続ける弟子・見助を描く、感動の歴史時代小説です。

角川文庫から、皆川博子さんの『写楽』が刊行されます。

江戸の町に忽然と現れた謎の浮世絵師・写楽。天才絵師・歌磨の最大のライバルといわれ、名作を次々世に送り出し、たった十ヵ月で消えてしまった“写楽”とは、いったい何者だったのでしょうか。

集英社文庫では、花村萬月さんの『日蝕えつきる』と、奥山景布子さんの『かっぽれ寄席品川清洲亭四』に注目しています。

前者は、天明6年の皆既日蝕を背景に、底辺に暮らす男と女の残酷な姿を描いた連作時代小説で、第30回柴田錬三郎賞受賞作です。

後者は、大工の棟梁の秀八が始めた、品川の寄席「清州亭」を舞台に、溢れる人情が涙を誘う、落語時代小説シリーズ第四弾です。

アルファポリス文庫の新刊、鵜狩三善さんの『居残り方治、鵺月夜』は、遊郭に遊興費を払えぬ居残りとして住み込みをする浪人、方治が猟奇的な事件の謎を追う、シリーズ第2作です。

！おすすめ度
★：読みたい／入手したい
■：新装版／復刊
♪ ：気になる／チェックしたい
◎：文庫書き下ろし

●7月13日発売　東京創元社・創元推理文庫
	『月蝕の夜の子守歌 (大正浪漫横濱魔女学校2)』	白鷺あおい
●7月15日発売　双葉社・双葉文庫
♪	『昏き道行き　大富豪同心(24)』	幡大介
★	『おれは一万石(13)-訣別の旗幟』 →記事：松平定信政権と訣別する、尾張徳川家一門の高岡藩の命運は？	千野隆司
	『後宮の花は偽りに紛れる』	天城智尋
■	『照れ降れ長屋風聞帖： 7 仇だ桜〈新装版〉』	坂岡真
●7月15日発売　祥伝社・祥伝社文庫
♪	『悲恋歌風烈廻り与力・青柳剣一郎』	小杉健治
●7月15日発売　祥伝社・祥伝社黄金文庫
	『「覇権」で読み解けば世界史がわかる』	神野正史
●7月15日発売　角川春樹事務所・時代小説文庫
♪	『子育て飴江戸菓子舗照月堂』	篠綾子
■	『飛燕の簪神田職人えにし譚』 →記事：女縫箔師・咲の刺繍が紡ぐ縁（えにし）。江戸お仕事人情小説	知野みさき
♪	『親子の絆を確かめて親子十手捕物帳(4)』	小杉健治
●7月15日発売　講談社・講談社文庫
■	『水壁　アテルイを継ぐ男』	高橋克彦
	『雪の王光の剣』	中村ふみ
★	『襲来上』 →記事：「2020年7月中旬の新刊（文庫）」をアップ	帚木蓬生
★	『襲来下』	帚木蓬生
♪	『狙われた横丁　鶴亀横丁の風来坊』	鳥羽亮
●7月16日発売　KADOKAWA・角川文庫
♪	『首一つ江戸の御庭番6』	藤井邦夫
★	『写楽』 →記事：絵師写楽の謎に迫る、レジェンド作家の幻の長編、遂に文庫化	皆川博子
●7月16日発売　KADOKAWA・角川ソフィア文庫
	『倭人・倭国伝全釈東アジアのなかの古代日本』	鳥越憲三郎
	『世にもふしぎな化け猫騒動』	今井秀和訳、解説
●7月17日発売　集英社・集英社文庫
★	『日蝕えつきる』 →記事：世の底辺で生きて死ぬ男女を描く、瞠目の暗黒時代小説	花村萬月
★	『かっぽれ寄席品川清洲亭四』	奥山景布子
●7月20日発売　アルファポリス・アルファポリス文庫
★	『居残り方治、鵺月夜』	鵜狩三善