時代小説 文庫新刊情報
2019年8月の新刊 上(1日→10日)
更新日:2019/08/21
2019年8月1日から8月10日の間に、文庫で刊行される時代小説の新刊情報リストです。新刊の各タイトルは、Amazon.co.jpの詳細紹介ページにリンクを張っています。
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今回は本の取次店のお盆休みを控えている影響から、刊行ラッシュです。
PHP文芸文庫から畠山健二さんの『本所おけら長屋(十三)』が刊行。なんと、シリーズ100万部突破!という帯が文庫カバーに付いていました。初めて明かされる松吉の過去に迫った「ゆうぐれ」など、大いに気になります。
実業之日本社文庫からあさのあつこさんの『風を繍(ぬ)う 針と剣 縫箔屋事件帖』が出ます。剣才ある町娘おちえと、刺繍職人を志す若侍吉澤一居の青春を描く時代ミステリー。
浅田次郎さんや安部龍太郎さん、諸田玲子さんらの傑作短編を収録した、時代小説アンソロジー『動乱! 江戸城』。明暦の大火から大奥の密通事件、桜田門外の変など江戸城内外で天下を揺るがす事件を描いています。編者が末國善己さんというのも魅力。
小学館文庫の新刊では、山本音也さんの『新選組最後の勇士たち』に注目しています。新選組最後の隊長・相馬主計と元隊士・安富才助。土方歳三の最期を看取り、明治に生き残った男たちの挽歌。『本懐に候』(単行本版)の文庫版です。
文春文庫からは、門井慶喜さんの『ゆけ、おりょう』。坂本龍馬の妻として、波瀾万丈に満ちたおりょうの半生を描いた時代長編です。
講談社文庫の新刊も魅力いっぱい。
『決戦!関ヶ原2』は、前作をスケールアップして、7人の人気歴史作家が関ヶ原の戦場を活写。葉室麟さん、吉川永青さん、東郷隆さん、蓑輪諒さん、宮本昌孝さん、天野純希さん、冲方丁さんが、戦いの鍵を握る武将たちに光を当てています。
梶よう子さんの『北斎まんだら』が文庫化。信州小布施の豪商、高井家の惣領息子・三九郎は、かの有名な絵師の葛飾北斎に会うために江戸へやって来た。だが、まともには取り合ってもらえず……。
徳間文庫からは、上田秀人さんの新シリーズ、『裏用心棒譚一 茜の茶碗』が始まります。相馬中村藩士の小宮山は、城から盗まれた茜の茶碗を捜索するという密命を帯びて、浪人になりすまして市中へ……。
双葉文庫の新刊では、2カ月連続刊行となる、千野隆司さんの『おれは一万石(10)-無人の稲田』。海賊の頭は海に消え、四千俵もの米俵と高級昆布類は行方不明に。府中藩は世子問題と一揆に揺らぐ。
時代小説文庫からは、人気シリーズの最新刊が登場。髙田郁さんの『あきない世傳 金と銀(七) 碧流篇』と今村翔吾さんの『冬晴れの花嫁 くらまし屋稼業』が楽しみです。
祥伝社文庫の『天満橋まで 風の市兵衛 弐』は、心待ちにしていた新作。しかも市兵衛が青春を過ごした、大坂の地での活躍が見られそう。
岡本さとるさんの『忘れ形見 取次屋栄三』。今回がシリーズ完結編ということで、栄三とその仲間たちにどのような大団円が用意されていいるのか、気になります。
光文社文庫から出る、中村朋臣さんの『忠義の果て: 蛇足屋勢四郎(二)』は、世の後始末をする便利屋稼業、蛇足屋の松波勢四郎が悪を斬る、剣戟シーンが堪能できるシリーズの第二弾です。
!おすすめ度
★:読みたい/入手したい
■:新装版/復刊
♪ :気になる/チェックしたい
◎:文庫書き下ろし