時代小説 文庫新刊情報
2018年6月の新刊 中(11日→20日)
更新日:2018/06/21
2018年6月11日から6月20日の間に、文庫で刊行される時代小説の新刊情報リストです。新刊の各タイトルは、Amazon.co.jpの詳細紹介ページにリンクを張っています。
→新刊情報リストを見る
光文社文庫より注目の新刊が出ます。
岡本さとるさんの『鎖鎌秘話: 若鷹武芸帖』。
将軍家斉から「滅びゆく武芸流派を調べよ」と、武芸帖編纂所の頭取に命じられた、小姓組番衆を務める若き旗本、新宮鷹之介を主人公にしたシリーズ第2作。
今回は「鎖鎌」という、ちょっと枯れた武芸が取り上げられて、興をそそられます。
澤田瞳子さんの『与楽の飯: 東大寺造仏所炊屋私記』は、奈良時代の東大寺大仏建立事業を食の視点から描く、人間ドラマ。
双葉文庫では、芝村凉也さんの新シリーズ、『迷い熊帰る-長屋道場騒動記(1)』が刊行されます。
心優しき巨躯の剣士「迷い熊」が活躍する痛快人情活劇の始まりです。
『烏検校-なにわ人情謎解き帖』は、注目の新人、加瀬政広さんのシリーズの2作目。
幕末の大坂を襲った大地震。西町奉行所同心の鳳大吾は津波に呑まれ、罪人四人を逃がしてしまう。奉行所では七日以内に罪人全員を見つけなければ切腹という裁きが下された……。
今回、もっとも注目しているのは、ハルキ文庫の新刊たちです。
三國青葉さんの『心花堂手習ごよみ』は、女の子だけが通う寺子屋を舞台にした時代小説。丹地陽子さんの装画も素敵です。
葉室麟さんの『神剣 人斬り彦斎』は、幕末、尊攘派の志士として、「人斬り彦斎」の名で恐れられた河上彦斎を描いた長編小説。
山本一力さんの『龍馬奔る 土佐の勇』は、高知出身の著者が描く、「龍馬伝」。中岡慎太郎やジョン万次郎らとのかかわりが興味深く描かれています。
天野純希さんの『衝天の剣 島津義弘伝(上)』は、戦国の猛将・島津義弘を描いた長編小説の待望の文庫化です。
祥伝社文庫から刊行される、志川節子さんの『花鳥茶屋せせらぎ』も読みたい本の一冊です。
花鳥茶屋「せせらぎ」は、上野不忍池に面したおよそ六百坪の敷地に、珍しい鳥を集めた禽舎や植物を配した行楽の苑。その花鳥茶屋に集う、若者たちの成長を描いた青春時代小説です。
講談社文庫の新刊も要チェック。
上田秀人さんの『騒動 百万石の留守居役(十一)』が出ます。
藩主綱紀の使者として赴いた越前松平家の城内で刀を振るうことになった数馬に危難が……。
富樫倫太郎さんの『風の如く 久坂玄瑞篇』は、『吉田松陰篇』に続く、青春時代小説の第2弾。
千野隆司さんの『大店の暖簾 下り酒一番』は、上方からの高級酒下り酒を扱う大店の酒問屋を舞台に、傾きかけた店を立て直すために、商いに奔走する主人公を描く、文庫書き下ろし新シリーズです。
PHP文芸文庫の『文蔵 2018.6』は、待望の捕物帳、時代ミステリ特集号です。宮部みゆきさんの新連載「きたきた捕物帳」も始まり、ファンにはうれしい限りです。
!おすすめ度
★:読みたい/入手したい
■:読んだことがある/持っている
♪ :気になる/チェックしたい
◎:文庫書き下ろし