『鬼平犯科帳』とか『剣客商売』を読んでいると主人公たちが実によく歩きます。電車に乗ったり、車で移動したりできる現在の感覚からすると、ただただ感心するばかりの健脚ぶりです。
頭の中で歩いたルートを思い描いてみるのですが、どうもうまくイメージできないのです。町名変更でなくなってしまった町や、本所や深川とかいうと、もうお手上げ状態です。そんな訳で、切絵図(江戸時代の地図)で地名を確認したりすると、つい、江戸の町に引き込まれてしまいます。
「お江戸なんか広いようでも町屋だけなら狭いところ。…」
(小松重男著「ずっこけ侍」より)
切絵図を寺社地、武家屋敷、町屋、農地を色分けすると、一目瞭然。とにかく寺が多く、また御三家や薩摩藩など雄藩の所有する武家地も広いいのですが、町人が住むエリアはホントに限られています。何やら不公平な感じもします。まあ、私などが江戸に生きていたら、さしずめ深川辺りの長屋住まいといったところでしょうか。
深川といえば、江戸の町の特徴として、水上交通の発達があげられます。大川(隅田川)を中心に、縦横に堀が張り巡らされています。深川や本所、浅草など、猪牙舟などの舟が重要な庶民の足となっていたようです。
まあ、江戸の町に興味が出てきて、江戸全図(61k)を見たい方は、クリックしてみてください。
● ● ● 参考資料 ● ● ●
『江戸の町(下)』(内藤昌著、草思社)
『江戸時代小説はやわかり―江戸の暮らしがよく分かる』(人文社編集部編、人文社)
『嘉永・慶応 江戸切絵図』(人文社)
『江戸切絵図で見る幕末人物事件散歩』(人文社)a>
『江戸老舗地図』(江戸文化研究会編、主婦と生活社))
『時代小説を歩く 大江戸ぶらり切絵図散歩』(縄田一男著、PHP研究所)
『江戸古地図散歩』(池波正太郎著、平凡社)
『深川江戸散歩』((藤沢周平、枝川公一他著、新潮社)
1997年10月26日作成
2008年3月15日修正
2014年12月6日修正
2008年3月15日修正
2014年12月6日修正