捕物

市井人情

人に薦めたくなる捕物小説『夜半の綺羅星』

安住洋子(あずみようこ)さんの『夜半の綺羅星(よわのきらぼし)』を読んだ。長塚節賞を受賞した『しずり雪』の姉妹編にあたる捕物小説である。前作もそうだが、安住さんの作品は一見して時代小説らしくないタイトルなので、注意深くチェックしていないと、...
伝奇

小松左京賞作家の捕物帳

年末に伊藤致雄(いとうむねお)さんの『吉宗の偽書 兵庫と伊織の捕物帖』を読んだ。作者の伊藤さんは、1942年宮城県生まれで、2005年に『神の血脈』で第6回小松左京賞を受賞された気鋭の作家である。『神の血脈』は幕末を舞台にした壮大なスケール...
捕物

名力士雷電が登場する時代小説

風野真知雄さんの『両国大相撲殺人事件』を読んだ。江戸時代の奇談をまとめた『耳袋』の著者として知られる江戸南町奉行・根岸肥前守鎮衛が活躍する人気シリーズの第6弾である。今回はタイトルどおりに、有望な若手力士の伊佐二が殺されるところから物語は始...
捕物

江戸のアイドル、笠森お仙の捕物帳

山内美樹子さんの『善知鳥伝説闇小町』を読んだ。笠森稲荷境内の腰掛け茶屋<鍵屋>の茶汲み娘・お仙を主人公とした、人情捕物小説シリーズの第2弾。善知鳥伝説闇小町 鍵屋お仙見立絵解き (光文社文庫)作者: 山内美樹子出版社/メーカー: 光文社発売...
市井人情

弱い人にやさしい時代小説

北原亞以子さんの『やさしい男』を読んだ。元南町奉行所定町廻り同心森口慶次郎が活躍する「慶次郎縁側日記」シリーズの第七作目(『脇役 慶次郎覚書』を除く)だ。やさしい男―慶次郎縁側日記 (新潮文庫)作者: 北原亞以子出版社/メーカー: 新潮社発...