2024年時代小説(単行本/文庫書き下ろし)ベスト10、発表!

武家

幕末維新

外国局に出仕した若者の成長を通して、幕末外交史を描く

木内昇(きうちのぼり)さんの幕末時代小説、『万波を翔る(ばんぱをかける)』(日本経済新聞出版社)を入手しました。本書は、これまでの幕末時代小説では好意的に描かれることが少ない、幕臣たちの外交の歴史をテーマにした長編小説です。開国から四年、幕...
武家

繰綿相場に公金をつぎ込んだ家臣の失態に、正紀は?

千野隆司(ちのたかし)さんの文庫書き下ろし時代小説、『おれは一万石(11)-繰綿の幻』(双葉文庫)を入手しました。一俵でも禄高が減れば旗本に格下げになる、ギリギリ一万石の大名、下総高岡藩井上家に世子として婿入りした正紀が、藩政改革に取り組ん...
人物

「2020年1月の新刊 上」をアップ

2020年1月1日から1月10日の間に、文庫で刊行される時代小説の新刊情報リスト「2020年1月の新刊 上」を掲載しました。早いもので今年も大晦日を迎え、明日からは新しい年2020年を迎えます。今回は、PHP文芸文庫から刊行される、秋山香乃...
伝奇

留守居役瀬能数馬、本多家と吉原との関わりに驚嘆する

上田秀人さんの文庫書き下ろし時代小説シリーズの最新作、『愚劣 百万石の留守居役(十四)』(講談社文庫)を入手しました。加賀藩前田家の若き留守居役瀬能数馬が、幕府の外様潰しや藩内の権力争い、他藩との悶着から百万石を守り抜くために奮闘する、人気...
女性

義に殉じた男たち、そして女たち。忠臣蔵小説が恋しくなる

諸田玲子さんの時代小説、『森家の討ち入り』(講談社文庫)を入手しました。歳を重ねてきたせいか師走に入ると、「忠臣蔵」が気になり、赤穂浪士の吉良邸討ち入り事件を描いた時代小説が無性に読みたくなります。津山森家の改易後、備中国西江原森家の当主と...