武家

武家

大久保党と本多父子

岳宏一郎さんの『御家の狗 (講談社文庫)』を入手する。家康政権を支えた、金山奉行の大久保長安(おおくぼながやす)と、側近であり、懐刀ともいうべき本多正信、正純父子を主人公とする3つの作品を収めた短篇集。岳さんというと、『群雲、関ヶ原へ〈上〉...
幕末維新

痔と糖尿病―江戸の場合

吉村昭さんの『桜田門外ノ変〈上〉 (新潮文庫)(下)』を読んでいたら、登場人物が痔や蜜尿病(糖尿病)に悩まされるシーンが出てきて、リアリティを感じた。時代小説を多数読んできたが、痔が描かれた作品というのは今まで記憶になかった。糖尿病のほうは...
作家

藤沢周平作品を想起させる

『鷺の墓 (時代小説文庫)』を読了する。作者の今井絵美子さんは、2003年に「小日向源伍の終わらない夏」で第10回九州さが大衆文学大賞・笹沢左保賞を受賞した新進気鋭の時代小説作家。本書が初の文庫書き下ろし作品。瀬戸内の一藩(瀬戸藩)を舞台に...
幕末維新

水戸藩と彦根藩の因縁

遅ればせながら、吉村昭さんの『桜田門外ノ変〈上〉 (新潮文庫)』を入手し読み始める。時代小説サイトの看板を掲げながらも、真面目な歴史ものが苦手で敬遠していたが、そろそろ幕末の水戸藩と向き合ってもいいかなと思い始めたところだ。水戸藩というと、...
武家

肩衝と古九谷

火坂雅志さんの『骨董屋征次郎手控 (講談社文庫)』を読了。幕末の京都、新選組、薩摩藩、加賀百万石、長崎、隠密…と惜しみなく時代小説の面白くなる要素を盛り込んでいる。それらをネタを味付け程度に、骨董という魔道にはまった男たちを描く非常に贅沢な...