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伝奇

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「闇を斬る」と町奉行所同心の給料

荒崎一海さんの『闇を斬る 残月無情』を読んだ。『直心影流龍尾の舞い』『刺客変幻』『四神跳梁』に続くシリーズ第四作めにあたる。 主人公の鷹森真九郎は、今治藩の目付役を務めていたが、藩内の抗争に巻き込まれて、妻の雪江を伴って出奔し、江戸で直心影...
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六十対三の決闘。京が舞台の捕物小説

澤田ふじ子さんの『真葛ヶ原の決闘』を読み終えた。京の人々の安寧を守る祇園社の神灯目付役が活躍する連作捕物小説集で、「僧兵の塚」「真葛ヶ原の決闘」「梟の夜」「鳥辺山鴉心中」の四編を収録。 表題作「真葛ヶ原の決闘」は、弱者に絶えず温かい支援を送...
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僧兵の末裔? 神灯目付役

澤田ふじ子さんの『真葛ヶ原の決闘』を読み始めた。「祇園社神灯事件簿」シリーズの第三弾である。 主人公の植松頼助(うえまつよりすけ)は、祇園社の警固を務める神灯目付役の一人である。祇園社境内だけではなく、四条をはじめ市中の各所に点在する御旅所...
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生類憐れみの令と赤穂浪士討ち入り

五代将軍徳川綱吉が、最初の生類憐れみの令を発したのは、貞享二年(1685)のこと。このときは「将軍御成りの際にも犬猫を繋ぐ必要はなし」というもので、以後、捨て犬の養育や病犬の手当ての義務、生類全般の殺生禁止など毎年のように新しい令が発布され...
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裏柳生が登場する時代小説

今日も、高妻秀樹さんの『胡蝶の剣』を読んでいる。 主人公のタイ捨流の剣豪・森本一房の前に、柳生宗矩の命を受けた柳生五郎右衛門宗俊(石舟斎の四男の柳生五郎右衛門宗章ではない)が率いる裏柳生が立ちはだかる。時は、慶長十五年三月、豊臣秀頼が伏見に...