市井人情 「様子のいい大人」が続々登場する時代小説 山本一力さんの『峠越え』を読んだ。文庫版の帯に、“「様子のいい大人」が続々登場”というキャッチコピーが書かれている。山本さんの作品の魅力の一つが、「様子のいい大人」が登場することだ。「様子のいい大人」とは、仲間が辱められようとするとためらわ... 市井人情江戸街道・旅
捕物 江戸歌舞伎に題材をとった捕物帳 近藤史恵さんの『にわか大根』を読んだ。『巴之丞鹿の子』『ほおずき地獄』に続く、江戸歌舞伎の町猿若町の芝居関係者が頻繁に登場する捕物小説「猿若町捕物帳」の第三弾である。前2作が長篇だったのに対して、今回は連作形式で「吉原雀」「にわか大根」「片... 捕物江戸
剣豪 貧乏剣術道場の師範代の日月抄 乾荘次郎(いぬいそうじろう)さんの『介錯』を読む。『妻敵討ち』『夜襲』に続く、貧乏剣術道場・柳花館の師範代・高森弦十郎が活躍する人情時代小説「鴉道場日月抄(からすどうじょうにちげつしょう)」シリーズの第三弾である。介錯 鴉道場日月抄 (講談... 剣豪江戸
捕物 「SP」を想起させる江戸捕物帳 「SP(エスピー)」(岡田准一さん主演)は最近珍しくハマッたテレビドラマだった。4月に放送されるスペシャル番組が待ち遠しいところ。千野隆司さんの『霊岸島の刺客』は「南町同心早瀬惣十郎捕物控」シリーズの第5弾だが、今回はまさに江戸のSPともい... 捕物江戸
伝奇 「蜻蛉切り」をめぐる捕物帳 伊藤致雄(いとうむねお)さんの『蜻蛉切り』を読んだ。幕府目付の天童兵庫と南町奉行所定町廻り同心の本山伊織のコンビが活躍する捕物小説「兵庫と伊織の捕物帖」の第二弾である。第一作の『吉宗の偽書』がスケールが大きく伝奇色もある傑作だったので、期待... 伝奇捕物江戸