2024年時代小説(単行本/文庫書き下ろし)ベスト10、発表!

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捕物

関八州を巡る道中が楽しい―六地蔵河原の決闘

佐藤雅美(さとうまさよし)さんの『六地蔵河原の決闘』は、「八州廻り桑山十兵衛」シリーズの第六弾である。六地蔵河原の決闘―八州廻り桑山十兵衛 (文春文庫)作者: 佐藤雅美出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2009/10/09メディア: 文...
伝奇

真田家に伝わる斬馬衆―上田秀人さんの新シリーズ

『斬馬衆お止め記 御盾(ざんばしゅうおとめき・みたて)』は、上田秀人さんの文庫書き下ろしの新シリーズ。三代将軍家光時代の松代藩真田家と幕府との攻防を描いている。この時代の真田家当主は信之。『真田太平記』『獅子』などの真田もので、信之の凄さを...
伝奇

江戸を震撼させた「闇」の残党がまた―『新たな敵』

最近、仕事のほうが一段落付き、自分の時間が少し持てるようになった。しかしながら、ブログについては怠け癖が付いてしまい、エントリーを怠り気味で申し訳なく思っている。ブログは書き慣れることが大切であるが、たまにしか書かなくなったことで、ブログを...
武家

青に候―センチメンタリズムが魅力の時代小説

志水辰夫(しみずたつお)さんの時代小説『青に候(あおにそうろう)』を読んだ。私が時代小説専門になる以前に、ハードボイルド・冒険小説のジャンルを中心に読んでいた時期があった。その当時(今から二十年前か)、もっとも愛読していた作家が志水さんであ...
伝奇

稀代の忍び・風魔の小太郎の生涯を描く大傑作

宮本昌孝さんの『風魔』を読んだ。文庫は上・中・下巻の三分冊だが、読み出したら止められない、一気読みをさせてしまう面白さだった。宮本作品では、『剣豪将軍義輝』や『ふたり道三』の系譜に通じる、スケール感、エンターテインメント性が堪能できる作品で...