2024年時代小説(単行本/文庫書き下ろし)ベスト10、発表!

ジャンル

市井人情

赤穂浪士と近松門左衛門が兄弟!?―『忠臣蔵心中』

師走を迎えると、赤穂浪士の吉良邸討ち入りの日(12月14日。といっても当時は旧暦になるわけだが)がクローズアップされるせいか、忠臣蔵をテーマにした時代小説が読みたくなる。今年は、バタバタしていたせいか、TVを以前ほど見なくなったせいか、12...
ミステリー

小さなヒロイン、ほうに心が洗われる感涙の時代小説―『孤宿の人』

宮部みゆきさんの『孤宿の人』を読んでいて不覚にも涙を流してしまった。目の前で新聞を読んでいた妻に気づかれないように、こっそり洗面所に行き、顔を洗った。でも、この涙は洗い流すのは惜しい、感涙だった。孤宿の人〈上〉 (新潮文庫)作者: 宮部みゆ...
女性

ハートウォーミングな新感覚時代小説『ガールズ・ストーリー』

あさのあつこさんの『ガールズ・ストーリー』を読んだ。時代小説らしからぬタイトルが『文蔵』に連載していたころ(2008年7月~2009年6月の連載。連載時のタイトルは「当世侠娘物語――ガールズ・ストーリー」)から気になっていた作品。ガールズ・...
医療

漱石・鴎外・乃木大将…、傑作医術時代小説集

篠田達明さんの『にわか産婆・漱石』は、新人物往来社からの単行本の初版が1984年、文春文庫版が1989年というから20年前になる。医術時代小説5編を収録した短編集は、以前から気になっていて読みたいと思っていた。にわか産婆・漱石 (新人物文庫...
市井人情

時代小説のもつ現代性が魅力―『雲を斬る』

最近、ある人から尋ねられて、時代小説好きになった経緯や時代小説のどこが好きかという話をした。作家としては故人ではなく現役として活躍している作家たちの作品により惹かれると答えた。その理由の一つが、今出ている時代小説のもつ現代性が挙げられる。時...