2024年時代小説(単行本/文庫書き下ろし)ベスト10、発表!

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人物

江戸のインフラを造った公共事業家、河村瑞賢の波瀾の生涯を描く

伊東潤さんの長編歴史時代小説、『江戸を造った男』(朝日文庫)を入手しました。河村瑞賢は元和四年(一六一八)に伊勢国度会郡に生まれ、明暦の大火の際に、木曾の材木買占めて財をなした商人です。後世には富商の面ばかりでなく、海運航路を開発したり、大...
武家

釣りが得意な浪人鮎貝伝八郎に夢のような仕官話

長辻象平(ながつじしょうへい)さんによる文庫書き下ろし時代小説、『御納屋侍 伝八郎奮迅録 あめんぼう』(双葉文庫)を入手しました。本書の主人公、鮎貝伝八郎は、浪々の身で貧乏暮らし、近隣の川で釣り得た魚を長屋の者どもに与えて、日々の食事を口に...
ミステリー

元禄バブルをもたらした、勘定奉行荻原重秀の死の謎を描く

諸田玲子さんによる長編時代小説、『闇の峠』(新潮文庫)を入手しました。本書は、元禄期から勘定奉行として貨幣改鋳に携わり、五代将軍綱吉や側用人柳沢吉保に重用された、辣腕の勘定奉行荻原近江守重秀の死の謎を描いた時代ミステリーです。享保19年夏、...
痛快

天文に興味をかき立てる若き日の伊能忠敬を描く、時代小説

小杉健治さんによる文庫書き下ろし時代小説、『天文方・伊能忠敬 出奔』(朝日文庫)を入手しました。天文方の高橋至時に師事し、測量の旅に出た伊能忠敬。彼は、ある武士の亡骸をめぐる不穏な騒動に巻き込まれ、やくざの岩吉や香具師の十蔵などの荒くれ者た...
ミステリー

京娘と不思議な少年の数奇な縁を描く、『縁見屋の娘』の続編

三好昌子(みよしあきこ)さんの文庫書き下ろし時代小説、『京の縁結び 縁見屋(えんみや)と運命の子』(宝島社文庫)を入手しました。『このミステリーがすごい!』大賞の優秀賞を受賞した、『京の縁結び 縁見屋の娘』に続く、シリーズ第2作です。前作で...