2024年時代小説(単行本/文庫書き下ろし)ベスト10、発表!

市井人情

作家

佐藤雅美(さとうまさよし)さんのこと

佐藤雅美(さとうまさよし)さんの『命みょうが 半次捕物控 (講談社文庫)』を入手した。佐藤さんは、『大君の通貨―幕末「円ドル」戦争 (文春文庫)』『田沼意次―主殿の税 (人物文庫)』などの江戸時代の経済をテーマにした歴史経済小説で活躍され、...
作家

藤沢周平作品を想起させる

『鷺の墓 (時代小説文庫)』を読了する。作者の今井絵美子さんは、2003年に「小日向源伍の終わらない夏」で第10回九州さが大衆文学大賞・笹沢左保賞を受賞した新進気鋭の時代小説作家。本書が初の文庫書き下ろし作品。瀬戸内の一藩(瀬戸藩)を舞台に...
市井人情

深川澪通り木戸番小屋(1)

江戸市井ものの傑作『深川澪通り木戸番小屋 (講談社文庫)』の舞台となる、深川の澪通り(みおどおり)がどこだったか調べたくなり、十年ぶりに読み返してみた。作品は、こんな書き出しで始まる。 夜になると、川音が高くなる。深川中島町は三方を川でかこ...
市井人情

公事宿事件書留帳 悪い棺(1)

澤田ふじ子さんの「公事宿事件書留帳」シリーズの最新文庫を入手した。シリーズ第九作めにあたる『悪い棺―公事宿事件書留帳〈9〉 幻冬舎文庫』の目次をみると、「黒猫の婆」と「お婆の御定法」という2つの「婆」がタイトルに付いた話が目にとまる。現代社...
市井人情

はぐれ牡丹(2)

『はぐれ牡丹 (ハルキ文庫 時代小説文庫)』を読み終え、少しいい気分になった。山本一力さんのお得意の深川を舞台にした、人情味と情感あふれる時代小説だ。ヒロインは、日本橋の両替商の娘ながら好きな男と駆け落ちして、夫と四歳になる息子と貧しいなが...