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市井人情

作家

藤沢周平作品を想起させる

『鷺の墓 (時代小説文庫)』を読了する。作者の今井絵美子さんは、2003年に「小日向源伍の終わらない夏」で第10回九州さが大衆文学大賞・笹沢左保賞を受賞した新進気鋭の時代小説作家。本書が初の文庫書き下ろし作品。 瀬戸内の一藩(瀬戸藩)を舞台...
市井人情

深川澪通り木戸番小屋(1)

江戸市井ものの傑作『深川澪通り木戸番小屋 (講談社文庫)』の舞台となる、深川の澪通り(みおどおり)がどこだったか調べたくなり、十年ぶりに読み返してみた。 作品は、こんな書き出しで始まる。  夜になると、川音が高くなる。深川中島町は三方を川で...
市井人情

公事宿事件書留帳 悪い棺(1)

澤田ふじ子さんの「公事宿事件書留帳」シリーズの最新文庫を入手した。シリーズ第九作めにあたる『悪い棺―公事宿事件書留帳〈9〉 幻冬舎文庫』の目次をみると、「黒猫の婆」と「お婆の御定法」という2つの「婆」がタイトルに付いた話が目にとまる。現代社...
市井人情

はぐれ牡丹(2)

『はぐれ牡丹 (ハルキ文庫 時代小説文庫)』を読み終え、少しいい気分になった。山本一力さんのお得意の深川を舞台にした、人情味と情感あふれる時代小説だ。 ヒロインは、日本橋の両替商の娘ながら好きな男と駆け落ちして、夫と四歳になる息子と貧しいな...
市井人情

はぐれ牡丹(1)

最近、書店めぐりがあまりできなくなり、時代小説の新刊(文庫中心だが)を物色するのに、ネットと新聞広告に頼っている。ネットでは、太洋社という出版物卸売会社(取次と呼ばれる本の問屋)のサイトの文庫発売予定一覧を参考にすることが多い。著者名順、出...