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市井人情

人物

平賀源内の生涯を振り返る時代長編

諸田玲子さんの『恋ぐるい』を読んだ。単行本刊行時(2002年、新潮社)のタイトルは、『源内狂恋』だったもの。女性の情愛を描くことでは、定評のある諸田さんがどんなふうに江戸の才人・平賀源内を描くのか興味津々だった。 平賀源内というと、小学生の...
伝奇

六十対三の決闘。京が舞台の捕物小説

澤田ふじ子さんの『真葛ヶ原の決闘』を読み終えた。京の人々の安寧を守る祇園社の神灯目付役が活躍する連作捕物小説集で、「僧兵の塚」「真葛ヶ原の決闘」「梟の夜」「鳥辺山鴉心中」の四編を収録。 表題作「真葛ヶ原の決闘」は、弱者に絶えず温かい支援を送...
伝奇

僧兵の末裔? 神灯目付役

澤田ふじ子さんの『真葛ヶ原の決闘』を読み始めた。「祇園社神灯事件簿」シリーズの第三弾である。 主人公の植松頼助(うえまつよりすけ)は、祇園社の警固を務める神灯目付役の一人である。祇園社境内だけではなく、四条をはじめ市中の各所に点在する御旅所...
ミステリー

浪人と犬が主人公の時代小説

稲葉稔さんの『武者とゆく』を読んだ。稲葉さんは、『ぶらり十兵衛 本所見廻り同心控』『肥前屋騒動 隠密廻り無明情話』『裏店とんぼ 研ぎ師人情始末』など、最近、書き下ろし時代小説を立て続けに発表して、注目される作家の一人。1999年に、坂本龍馬...
市井人情

江戸でただ一人の結わえ師、登場

石月正広さんの『笑う花魁 結わえ師・紋重郎始末記』を読了する。主人公の漢部紋重郎(あやべもんじゅうろう)は江戸で唯一の結わえ師。吉原や深川、柳橋といった花街で、女郎や芸者たちに帯や紐の結び方を教えたり、妓楼の紋日などに酒樽の飾り結びや、床飾...