2024年時代小説(単行本/文庫書き下ろし)ベスト10、発表!

痛快

捕物

近藤重蔵と長谷川平蔵

逢坂剛さんの『じぶくり伝兵衛』を快調に読み終えた。後年、蝦夷地の探検家として知られる近藤重蔵を主人公とした連作捕物小説「重蔵始末」シリーズの第二弾。若き日の、火盗改(火付盗賊改方)の与力としての活躍を描いて、ますます好調。火盗改の長官という...
捕物

講談社文庫のしおりと不定時法

講談社文庫の新刊『じぶくり伝兵衛』を読み始めた。逢坂剛さんの時代小説「重蔵始末」シリーズの第二弾。本を読み終えてしおりを探したら、いつもと違うものが入っていてちょっとうれしくなった。このしおりは薄いグリーンの厚手の紙で、幅が通常の倍あった。...
江戸

闇の請負人“裏人”が悪を斬る

花家圭太郎さんの『無用庵日乗 上野不忍無縁坂』を読了。池波正太郎さんの「藤枝梅安」シリーズを想起させる、裏社会の仕掛け人(本作品では裏人)の元締・治兵衛が主人公。池波作品では、「ツル」とか「仕掛け」とか「おつとめ」とか独自の言葉が使われ、雰...
剣豪

日光社参と大納言家基

佐伯泰英さんの『居眠り磐音 江戸双紙 夏燕ノ道』を読み終えた。深川六間堀に住む浪人坂崎磐音を主人公としたシリーズは快調なペースで巻を積み上げて第十四弾になる。今回の読みどころは、十代将軍家治の日光社参をメインに描いたところ。日光社参は徳川家...
市井人情

双葉文庫と時代小説

帯に南伸坊さんのおむすび顔のイラストが入ることでおなじみの双葉文庫。佐伯泰英さんの「居眠り磐音 江戸双紙」シリーズの最新刊『夏燕ノ道』を入手すべく、書店のコーナーを見ると、文庫書下ろしの時代小説のラインナップが充実しているのに気づいた。佐伯...