2024年時代小説(単行本/文庫書き下ろし)ベスト10、発表!

痛快

剣豪

時代小説と中一弥さんの挿絵

「小説新潮」とか「小説現代」のような文芸誌(というか小説雑誌)を読む機会は多くないが、時代小説を特集していたりして、たまに目を通すと楽しいのが挿絵だ。とくに、蓬田やすひろさんや柴田ゆうさん、百鬼丸さんとかお気に入りの画家の絵が載っていると、...
武家

藤沢周平作品と犬

新潮文庫から出ている『時代小説―読切御免〈第4巻〉』を読み始めた。今を代表する人気時代小説作家の短篇7編を収録したアンソロジーだ。1巻~3巻同様にラインナップが豪華で気に入っている。今回も藤沢周平さん、北方謙三さん、鈴木輝一郎さん、火坂雅志...
伝奇

信濃一傳流の奥義と北辰一刀流

朝日新聞の土曜版beのインタビューに、『信長の棺』で一躍注目される作家の加藤廣さんが登場された。作品発表までのことが語られていて興味深いものだった。自身は信長よりも秀吉のほうが好きで、次回作はその秀吉を描いたものということで、期待できそう。...
伝奇

交代寄合伊那衆、座光寺為清

買いためていた本の中から、迷った末に佐伯泰英さんの『雷鳴』から読み進めることにした。講談社文庫でスタートした、「交代寄合伊那衆異聞」シリーズの第2弾である。ファンにはよく知られていることだが、佐伯さんは「密命」「居眠り磐音江戸双紙」「吉原裏...
市井人情

車坂と芝車町、火事を描く時代小説

佐伯泰英さんの「密命」シリーズ第13弾、『追善 密命・死の舞』を読み終えた。主人公の金杉惣三郎・清之助父子がかつて剣の教えを請うた鹿島の米津寛兵衛の一周忌の追善が題材になっている。サービス精神旺盛な作者らしく、読みどころは、そればかりでなく...