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時代

女性

市井小説には深川が似合う

牧南恭子さんの『女泣川花ごよみ』を読んでいる。深川を東西に流れる小名木川沿いに暮らす人々を描いた八編の短篇を収録した作品集である。初めて読む作家の方なので、どんな展開になるのか手探りで読み進めている。 「花筏(はないかだ)」 中川船番所の下...
人物

本多政重という魅力的な武辺者

安部龍太郎さんの『生きて候』を読み終えた。「美しく己の命を使い切れ!」「生き急いでも、死に急いでもならぬ」という養父・倉橋長右衛門の遺した言葉を胸に、戦国から江戸初期を武辺に生き、義に生きた男の半生を描く傑作歴史時代小説。 政重は、家康の名...
戦国

秀吉政権下の江戸

安部龍太郎さんの『生きて候』を通勤中に読み始めた。安部さんというと、『信長燃ゆ』や『関ヶ原連判状』といった信長時代から江戸時代初期にかけての戦国時代をを描いた数々の傑作で知られる、時代小説作家。最新の歴史研究をベースに、現代的で奔放な発想と...
幕末維新

桜田門外の変と仇討ち

浅田次郎さんの短篇に、「柘榴坂の仇討」(『五郎治殿御始末』収録)がある。桜田門外の変によって、人生が大きく変わった二人の武士の明治維新後を描いた作品である。ちなみに柘榴坂(ざくろざか))は、高輪にあった久留米藩下屋敷と薩摩藩下屋敷の間の坂道...
幕末維新

明治の改暦と西洋定時法

浅田次郎さんの『五郎治御始末』に収録された短篇「西を向く侍」と「遠い砲音」は、明治五年から明治六年にかけて行われた旧暦(太陰太陽暦)から西洋暦(グレゴリオ暦)への改暦と、西洋定時法採用をテーマにした作品である。 知識としては、明治初年に旧暦...