2024年時代小説(単行本/文庫書き下ろし)ベスト10、発表!

江戸

作家

注目の新鋭女性剣豪作家

最近注目している新鋭の女性作家に秋山香乃さんがいる。新選組を題材に取った作品で活躍している。『歳三往きてまた』や『新選組藤堂平助』など、文芸社という自費出版の版元として有名な出版社から刊行している。文庫では、ハルキ文庫から『近藤勇 (時代小...
伝奇

身長120cm台の将軍綱吉

えとう乱星さんの『ほうけ奉行―若宮隼人殺生方控 (ベスト時代文庫)』を読了。10年近く文庫化を待ち続けた甲斐があった、第1作の『かぶき奉行―織部多聞殺生方控 (ベスト時代文庫)』に匹敵する傑作伝奇小説だ。徳川五代将軍綱吉の生類憐みの令の時代...
武家

肩衝と古九谷

火坂雅志さんの『骨董屋征次郎手控 (講談社文庫)』を読了。幕末の京都、新選組、薩摩藩、加賀百万石、長崎、隠密…と惜しみなく時代小説の面白くなる要素を盛り込んでいる。それらをネタを味付け程度に、骨董という魔道にはまった男たちを描く非常に贅沢な...
江戸学

観光都市 江戸の誕生(1)

安藤優一郎さんの『観光都市 江戸の誕生 (新潮新書)』を読了。約100万人の人口を抱え、参勤交代などで絶えず住人が入れ替わった江戸を、一大観光都市としてとらえ、その観光事情をあきらかにした江戸入門書。都市・江戸=観光地というとらえ方は、地方...
古地図

江戸切絵図にひろがる鬼平犯科帳、雲霧仁左衛門(1)

7、8年前に江戸切絵図(江戸時代の江戸市中地図のこと)にハマったことがあった。時代小説を読んでいて、現在と違う町名や消えてしまった堀や橋が気になりだして、江戸切絵図を購入して、ピンと来ない場所にぶつかると切絵図を眺めるということをしていた。...