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柳生忍法帖 上:江戸花地獄編、下:会津雪地獄編

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柳生忍法帖 上:江戸花地獄編
柳生忍法帖 上:江戸花地獄編、下:会津雪地獄編
(やぎゅうにんぽうちょう じょう・えどはなじごくへん げ・あいづゆきじごくへん)
山田風太郎
(やまだふうたろう)
[伝奇]
★★★☆☆

縁切り寺として名高い鎌倉・東慶寺といえば隆慶一郎さんの『駆込寺蔭始末』を思い出す。弘安八年執権北条時宗の夫人覚山尼により開創、住持には代々名門の後室ないしは姫君がなるということです。豊臣秀頼の姫、天秀尼が有名。

本書では、また吉原の生みの親、庄司甚右衛門や沢庵、黒衣の宰相天海、柳生十兵衛らも登場する。

お待ちかねのヒール側には、淫虐大名の加藤明成をはじめ、会津七本槍と名付けられた、鷲ノ巣廉助(怪力拳法)、平賀孫兵衛(槍の名手)、漆戸虹七郎(片腕の剣士)、大道寺鉄斎(鎖鎌遣い)、司馬一眼房(変幻自在の鞭をつかう)、具足丈之進(三匹の巨犬を操る)、香炉銀四郎(霞網の妖術)と彼らの総帥芦名銅伯(夢山彦と忍法なまり胴)とその娘おゆらなど、そうそうたるメンバーが控え、興趣につきないところ。

サービスしすぎで、やや冗漫になってしまったところが残念。

物語●会津四十万石加藤明成は淫虐魔王ともいうべき大名。重臣堀主水は毎々諫言をしたが、遂に見限って退転し、一族の女37名を鎌倉・東慶寺に預け、高野山に入った。怒り狂った明成は、幕府の許可状をもとに会津七本槍を使って、堀一族を江戸へ引きずっていく。

カバー装画:百鬼丸
カバーデザイン:熊谷博人
解説:磯貝勝太郎
時代:寛永十九年
(時代小説文庫・1,360円・90/05/30)
購入日:97/2/24
読破日:97/4/16

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