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紫紺のつばめ 髪結い伊三次捕物余話

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紫紺のつばめ< 髪結い伊三次捕物余話紫紺のつばめ 髪結い伊三次捕物余話
(しこんのつばめ・かみゆいいさじとりものよばなし)
宇江佐真理
(うえざまり)
[捕物]
★★★★☆☆

1999年4月よりフジテレビ系で、ドラマ化が決定した。主役の廻り髪結い伊三次は、中村橋之助さんが演じる。恋人役のお文は、大河ドラマで活躍する元宝塚の涼風真世さん。新進作家であり、シリーズもまだ2作ということで、ドラマ化が少し早いような気もするが、何とも楽しみだ。

さて、シリーズ第2弾の本作だが、登場人物たちがいよいよ個性を発揮しだして、面白さがグッとました。女性作家ということもあり、平岩弓枝さんの「かわせみ」シリーズや北原亞以子さんの作品に通じる、江戸の四季の中に、人と人の繋がりの温かさが堪能できる。

伊三次とお文の関係を見ていて、ロバート・B・パーカーのスペンサーシリーズを思い出した。

物語●「紫紺のつばめ」深川芸者のお文は、かつて世話になった旦那の息子の援助で家を改築することになった…。「ひで」伊三次の幼なじみの日出吉は、料理屋を辞めて大工の修業をはじめた…。「菜の花の戦ぐ岸辺」伊三次は世話になった大店の隠居を久しぶりに訪ねた。その夜、その隠居が殺された…。「鳥瞰図」伊三次は、歌川派の絵師の家で、鳥の眼で江戸の町を眺める構図の絵を見た…。「摩利支天横丁の月」深川芸者のお文の家の女中・おみつが姿を消した…。

目次■紫紺のつばめ|ひで|菜の花の戦ぐ岸辺|鳥瞰図|摩利支天横丁の月

装画:東啓三郎
装幀:坂田政則
時代:明記されず
場所:門前仲町、深川蛤町、向島、島崎町、大伝馬町、芝神明前
(文藝春秋・1,524円・99/02/20第1刷・274P)
購入日:99/02/13
読破日:99/02/14

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