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ちみどろ砂絵 なめくじ長屋捕物さわぎ

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ちみどろ砂絵 なめくじ長屋捕物さわぎちみどろ砂絵 なめくじ長屋捕物さわぎ
(ちみどろすなえ・なめくじながやとりものさわぎ)
都筑道夫
(つづきみちお)
[捕物]
★★★★☆

学生時代に推理小説が好きでハマった都筑道夫さんの名作を十数年ぶりの再読。当時(角川文庫版)は推理小説の視点から読み、事件設定の意外性と論理的な解決に舌を巻き、なめくじ長屋のメンバーのチームプレーを大いに楽しんだ。

今回は、時代小説のアプローチから読ませてもらった。昔は読み飛ばしていたが、確かな江戸情緒の描写にすっかり参ってしまった。やはり、ぼくのセンセーである。

物語●「よろいの渡し」鎧の渡しで、渡し舟に乗り込んだ男が、岡っ引きや下っ引きが岸の両岸で見守る中、川の上で消えた…。「ろくろっ首」商家の娘が首を切り落とされて殺されていた。そしてその5日後に若い男の首だけが発見された…。「春暁八幡鐘」アラクマが見ず知らずの若い男から風呂桶ドロボーの依頼を受けたが…。「三番倉」倉の中で二人の男が争い、瀕死の被害者が倉から転げ出した後、加害者を閉じ込め錠をかけた。報せを聞き、やってきた親分は倉の中を見たが誰もいなかった…。「本所七不思議」本所の横十間川に、一艘の舟がただよい、舟の上には男の死体と狸の死骸が横たえられていた…。「いのしし屋敷」なめくじ長屋の面々に、無頼の旗本にさらわれた隠居の妾を取り戻す仕事が依頼された…。「心中不忍池」上野不忍池の茶屋で、奇妙な心中があった。年増盛りの女の方が息をひきとったとたん、皺だらけの老婆になってしまったのだ…。

目次■第一席 よろいの渡し|第二席 ろくろっ首|第三席 春暁八幡鐘|第四席 三番倉|第五席 本所七不思議|第六席 いのしし屋敷|第七席 心中不忍池|解説 高橋克彦

カバーイラスト:山田紳
解説:高橋克彦
時代:特定せず
場所:日本橋茅場町、橋本町、三田材木町、牛込舟河原町、新川一丁目、亀沢町、大曲、不忍池ほか
(光文社文庫・533円・97/06/20第1刷・279P)
購入日:99/05/03
読破日:99/05/15

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