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鱗光の剣 深川群狼伝

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鱗光の剣 深川群狼伝
鱗光の剣 深川群狼伝
(りんこうのけん・ふかがわぐんろうでん)
鳥羽亮
(とばりょう)
[剣豪]
★★★★

1996年1月、講談社より刊行された『深川群狼伝』を改題した作品。

江戸の新興・盛り場深川の裏社会をめぐる暗闘。池波正太郎さんの「藤枝梅安」シリーズを想起させる始末人の世界がとても面白い。しかも、そこに作者得意の剣豪小説の魅力と、ミステリの要素が渾然一体となり、上質のエンターテインメントになっている。

殺しもありという血にまみれた始末人の世界を扱いながら、暗く陰惨にならず、カラッとしているのは作者の資質だろうか。

菊池仁さんの解説が単なる作品の解説にとどまらず、時代小説全般を俯瞰するものになっており、読みごたえがあるのも収穫。

物語●蓮見宗二郎は、渋沢念流の遣い手で、表向きは父の開いている道場の代稽古をつとめていたが、その実、深川門前仲町の始末屋・鳴海屋の腕利きの始末人だった。始末人とは、遊女屋、料理屋から材木問屋、呉服店、札差などから依頼を受けて、揉め事を処理する生業である。ある日、宗二郎の同僚の始末人の一人が全裸で殺される事件が起こった…。

目次■第一章 鉄棒の団六/第二章 彦根の文蔵/第三章 鵺野ノ銀次/第四章 菅笠の甚十/第五章 蓮見宗二郎/菊池仁

カバー装画:村上豊
解説:菊池仁
時代:天明元年
場所:入船町、門前仲町、北本所馬場町ほか
(講談社文庫・495円・99/05/15第1刷・292P)
購入日:99/05/16
読破日:99/05/22

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