[amazon_image id=”4062649764″ link=”true” target=”_blank” size=”medium” ]妖鬼の剣 (講談社文庫)[/amazon_image]
妖鬼の剣 直心影流・毬谷直二郎
(ようきのけん・じきしんかげりゅう・まりやなおじろう)
(とばりょう)
[剣豪]
★★★★
♪『三鬼の剣』、『隠猿の剣』に続く、毬谷直二郎ものの第3弾。鳥羽さんの剣豪伝奇ミステリーは、いくつかのシリーズがあるので、そろそろ、整理が必要かも。と思っていたら、解説の小梛(おなぎ)さんが、鳥羽ワールドのヒーローたちをうまくまとめておられた。
3作目ということで、どんな趣向を見せるか期待していたところ、『剣客商売』(池波正太郎著)の佐々木三冬を想起させる、美少女剣士・神崎琴江を登場させてきた。物語は、琴江と直心影流の遣い手、毬谷直二郎の対決で始まる。
直二郎の秘剣“千手剣”が冴え、彼を助ける老岡っ引き、細引の玄蔵らとのチームワークも楽しい、鳥羽流剣豪ミステリーファンにはたまらないところ。美少女剣士・琴江の魅力(次回作でも登場させてほしいところだ)もさることながら、身の回りのものを武器に使う総合的な武芸・願流が面白い。
物語●神田岩本町にある直心影流の道場,、練武館で交流仕合いが行われ、毬谷直二郎も誠心館(本所亀沢町)を代表して、仕合いの検分役を務めた。練武館で本目録を得た女流剣士・神崎琴江は、秘剣・千手剣の遣い手として広く知られた直二郎との仕合いを望み、二人は立合うことになった…。
ちょうどその頃、江戸の町には、“鷹の爪”と呼ばれた盗賊が出没していた。犯行現場に猛禽の爪をたてたような疵を残し、以前は人を殺めず神出鬼没な義賊のような存在であったが、最近は残虐な殺害も重ねていた…。
目次■第一章 鷹の爪/第二章 妖鬼/第三章 大狗/第四章 お駒/第五章 願流殺法/第六章 勝負/解説 小梛治宣