[amazon_image id=”406273141X” link=”true” target=”_blank” size=”medium” ]秘剣 鬼の骨 (講談社文庫)[/amazon_image]
秘剣 鬼の骨
(ひけん・おにのほね)
(とばりょう)
[剣豪]
★★★☆☆☆
♪渋沢念流の遣い手、蓮見宗二郎が活躍する「深川群狼伝」シリーズ第三弾。ルビの箇所が増えているのに気が付いた。
深川の治安を守る始末人、蓮見宗二郎らの前に、一太刀で頭骨を砕く戦慄の豪剣が立ちはだかる…。ますます凄味を増した“鳥羽チャンバラ小説”の最新刊。
この「深川群狼伝」シリーズの楽しみは、法で裁けない悪をTV時代劇の必殺もののように集団で懲らしめ解決する爽快感にある。
さらに、鳥羽作品の特徴である、ミステリー色と豪快なチャンバラシーンが堪能できるところも魅力。
物語●深川の廻船問屋の主人が牢人者に斬殺された。斬る寸前に「キコツ」という声を発し、牢人は一刀のもとで主人の額を二つに割った…。死体を改めた南町奉行定町廻り同心佐伯英深は、開いた傷口から白い頭骨が覗いている凄まじい死顔を見て、「正面から一太刀、かなりの遣い手だな」とつぶやいた。
深川一帯で、遊興費の取り立てだけでなく、水商売にありがちな客との揉め事、いたずら者の乱暴狼藉などのいっさいを引き受け、月二分の口銭を『万揉め事始末料』と称して各店から徴収して、商いと店者の安全を保障していた、始末屋の鳴海屋は、現代の警備保障会社という役割を果たしていた。その鳴海屋が守っている大店で、小火騒ぎや番頭が襲われるという事件が頻発していた…。
目次■第一章 始末人/第二章 島七/第三章 廻船問屋/第四章 刺客/第五章 女狐/第六章 鬼の骨|解説 菊池仁