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三悪人

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三悪人三悪人
(さんあくにん)
田牧大和
(たまきやまと)
[痛快]
★★★★☆

『三悪人』は、文政四年、若き日の遠山(金四郎)景元、鳥居耀蔵、水野忠邦を描く時代小説。表題の三悪人はこの三人のこと。吉原を舞台にした、三人の騙し騙され合い、駆け引きの応酬。三者三様の思惑、知恵比べが楽しめる変格痛快小説。

『三悪人』に登場する鳥居耀蔵は、珍しく若者らしい、好感が持てる描かれ方をしている。粘着質で陰湿な感じも、因循姑息で頑迷な感じも見せずに、むしろ、小普請組・無役の旗本のもつ、ちょっと危ない橋を渡って小遣い銭を稼ぐ感じが出ていて小気味がいい。7月28日に発売される続編『春疾風 続・三悪人』も楽しみ。

この作品で、江戸時代に栃本関という関所が秩父(秩父往還)にあったことを知った。勉強になるなあ、初めは自分の無知を棚に上げてフィクションかと思ったほど。建物は残っていて、今も外観は見学できるみたい。http://t.co/8eCJrQT

物語●文政四年師走、目黒の祐天寺から出火。出火元から、盲目の修行僧笙雪と身元不明の女性の骸が見つかった。
その頃、旗本の子息ながら、家を出ている遠山金四郎は、放蕩を続けていた。浅草花川戸町の蕎麦屋の二階に居候している金四郎の元に、鳥居耀蔵が儲け話を持ってきた。祐天寺の火事に忠邦が絡んでいるという…。

目次■その一 辻斬之巻/その二 吉原之巻/その三 栃本関之巻/解説 縄田一男

カバーデザイン:菊地信義
解説:縄田一男
時代:文政四年師走
場所:目黒祐天寺、白書院帝鑑之間、水野家上屋敷(三田)、吉原、浅草花川戸、深川永堀町、深川材木置場、浅草御蔵近く心月院、青山善光寺、栃本関ほか
(講談社文庫・476円・2011/07/15第1刷・253P)
購入日:2011/07/18
読破日:2011/07/24

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