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狼奉行

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狼奉行
狼奉行

(おおかみぶぎょう)

高橋義夫

(たかはしよしお)
[武家]
★★★☆☆

第106回直木賞受賞作。中編の「狼奉行」は清冽な名作。他の2編は、史料の入り方が気になって文体が硬く読みづらいのが残念。

物語●「狼奉行」羽州上山藩士・祝靱負はお家騒動の余波で山代官の下役に配される。家格に合わぬ役目に力を尽くす寡黙な若者に襲いかかる、狼の来襲、かせぎ病(狂犬病)の流行・・。「廈門心中」義和団事件当時の廈門における、元お針子の秋元たえ、旦那の薬商・栄蔵、謎の学生桑島多一郎ら居留邦人たちの人間模様。「小姓町の噂」山形における日露戦争のロシア人捕虜たちの俘虜生活事情。

カバー:蓬田やすひろ
解説:赤木駿介(作家)
時代:「狼奉行」天明三年、「廈門心中」明治三十三年、「小姓町の噂」明治三十八年
場所:「狼奉行」羽州上山藩、「小姓町の噂」山形市
(文春文庫・450円・1996/06/10)
購入日:1996/06/25
読破日:1996/09/25

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