狼奉行
(おおかみぶぎょう)
(たかはしよしお)
[武家]
★★★☆☆
♪第106回直木賞受賞作。中編の「狼奉行」は清冽な名作。他の2編は、史料の入り方が気になって文体が硬く読みづらいのが残念。
物語●「狼奉行」羽州上山藩士・祝靱負はお家騒動の余波で山代官の下役に配される。家格に合わぬ役目に力を尽くす寡黙な若者に襲いかかる、狼の来襲、かせぎ病(狂犬病)の流行・・。「廈門心中」義和団事件当時の廈門における、元お針子の秋元たえ、旦那の薬商・栄蔵、謎の学生桑島多一郎ら居留邦人たちの人間模様。「小姓町の噂」山形における日露戦争のロシア人捕虜たちの俘虜生活事情。