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投げ節お小夜捕物控 意休ごろし

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投げ節お小夜捕物控 意休ごろし投げ節お小夜捕物控 意休ごろし
(なげぶしおさよとりものひかえ・いきゅうごろし)
高橋義夫
(たかはしよしお)
[捕物]
★★★☆☆☆

鬼平こと長谷川平蔵急死後の江戸市井の事件を、若い与力を中心に新しい5人のチームが活躍する捕物帳。

鬼平こと長谷川平蔵が急死した後、火付盗賊改の長官に任ぜられたのが森山源五郎。源五郎は、かねてから平蔵の派手な捕物を「目立ちたがりの品のない行為だと嫌って」いた。源五郎の考え方は、まず法律がすべてであって犯人逮捕より法律遵守を第一とし、法律で禁じられている付人(密偵)を使うことも許可しない、冤罪の被害者をつくるよりは犯人を逮捕できない方がいいといって、「マゴコロの勧め」を主張する。そのため、「氷川大明神」と町方役人から揶揄されていた。しかも、前任の平蔵に仕えていた与力・同心はことごとく御役御免にして、新たに与力十人、同心四十名を集めた。先手組から新たに廻されてきた若き与力・妹川数馬(せがわかずま)は、さまざまな困難に遭いながらも一人前の役人に成長してゆく…。

タイトルにある「投げ節」とは、芸者のお小夜が得意とする、江戸初期の流行歌。三四・四三・三四・五の詞形の三味線音楽で遊里で流行した。最初、お小夜の必殺技かと思っていた。

物語●「腐れ縁」麻布古川町でボヤ騒ぎがあった夜、近所の小料理屋で主人夫婦が殺された…。「意休ごろし」『助六所縁江戸桜』の登場人物によく似ているということで髯の意久と仇名される女衒が、紅いしごきで縊り殺された…。「どでごんす」南本所から深川にかけた界隈で、夜鷹ばかり立て続けに三人、辻斬りにあった…。「謎坊主」森田座の『五大力恋緘』を上演中に乞食になった役者が妙な所作をした…。「初穂勧進」初午の日、紙屋の九年前に死んだはずの一人息子が店に戻ってきた…。「三筋の鳴子」お小夜に人殺しの嫌疑がかけられた…。

目次■腐れ縁|意休ごろし|どでごんす|謎坊主|初穂勧進|三筋の鳴子|解説 渡辺保

カバー画:西のぼる
解説:渡辺保
時代:寛政七年五月
場所:赤坂氷川大明神裏、麻布古川町、永代寺門前町、御箪笥町、多田薬師裏、竪川の土手、芝口二丁目、洲崎ほか
(中公文庫・648円・00/01/25第1刷・248P)
購入日:00/01/22
読破日:00/01/29

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