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無言殺剣 首代一万両

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無言殺剣 首代一万両無言殺剣 首代一万両

(むごんさつけん くびしろいちまんりょう)

鈴木英治

(すずきえいじ)
[剣豪]
おすすめ度:★★★☆☆☆

そして本作。殺しは連鎖する。一人娘のおひさを殺された古河の豪商・千宏屋河右衛門は、黙兵衛の首に一万両の懸賞金を掛けて、殺し屋を募った……。

出来事だけを追うと、何とも殺伐とした物語になってしまうが、実はこの本の魅力は、圧倒的なチャンバラシーンやハラハラドキドキのストーリー展開ばかりでない。黙兵衛の通訳役を務める相棒として、古河のやくざの三男坊伊之助が登場する。この若者の純朴さと黙兵衛の信頼感、家族への愛情などの普通っぽさが快いアクセントになっている。伊之助の成長ぶり、淡い恋心が作品にホッとする部分を作っている。

さて、今回は、黙兵衛の前に立ちはだかる強敵・荒垣外記やその部下で忍びの博造についてもしっかり描かれていて、シリーズのファンとしてはうれしいところ。少しずつ明らかになっていく黙兵衛の秘密。百鬼丸さんの表紙の立体切り絵とともに今後の展開が気になる。

目次■第一章/第二章/第三章/第四章

カバー立体切り絵:百鬼丸
カバーデザイン:百鬼丸/新井健民
描かれている時代:明記されず

(中公文庫・648円・2006年2006年6月25日第1刷・303P)
購入日:2006/07/16
読破日:2006/08/16

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