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間諜

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間諜
間諜
(かんちょう)
杉本章子
(すぎもとあきこ)
[幕末]
★★★☆☆

北原亞以子さんの「このテーマは自分も書きたかった」というちょっとズルい推薦文(どこで読んだのかわからないが)に惹かれて読み始めた。

芸者おむらを中心に描かれる物語と、幕府の高官を中心に描かれる物語がパラレルに展開する。英国公使ニールを介して結びつくのだが、慣れないストーリー展開でなかなか波に乗れなかった。

維新前の幕府の高官たちの外交オンチぶり、事なかれ主義、リーダーシップのなさの描写が秀逸。どこかの政府(今と変わらないって?)に似ていてトホホって感じ。

物語●生麦事件の渦中で、薩摩藩士の恋人のために洋妾(らしゃめん)となり、英国公使館に潜入する芸者おむら。事件を巡り対立する英国・幕府・薩摩の外交を描く歴史長編。

カバー画:佐多芳郎
時代:文久二(1862)年、八月
(中公文庫・上777円、下874円・97/03/18)
購入日:97/3/20
読破日:97/4/24

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