大江戸100景地図帳 時代小説副読本
(おおえどひゃっけいちずちょう)
人文社編集部・編集
(じんぶんしゃ)
[古地図]
♪「江戸名所百景」(広重画)および「江戸名所図会」(斎藤月岑著・長谷川雪旦画)で描かれた江戸の名所を舞台とする時代小説紹介するするユニークな江戸古地図本です。
文庫本サイズのハンディな体裁ながら、オールカラーで、「尾張屋板江戸切絵図」を収録。現在のマップやランドマークとなる地点も掲載しているので、場所の位置関係がつかみやすくなっています。
時代小説の紹介は、私、理流が担当。
時代小説に関する知識のすべてを総動員して、名所にマッチした作品を紹介しています。
広重の描く名所は、当たり前のことですが、当時の江戸の庶民の視点で描かれています。現在は跡形もなくなった場所が多く出てきます。また、当時、御城や武家屋敷を絵にすることはNGだったので、武家地は登場しません。そのため、時代小説家が作品に描かない場所があったり、逆に武家小説を紹介したいのに武家地ばかりで名所が出てこないものがあったりと…。
時代小説の幅広い楽しみを堪能いただけるように、一人の作家、一つの作品に偏らないように多くの作品を紹介するように心がけました。また、今や主流となっている時代小説文庫書き下ろし作品もカバーし、文庫本で入手しやすい本を中心にしました。(この偏らない作品選定は、実際には時間がかかり困難であり、かつ楽しい作業でした)
巻末には江戸から明治初期に創業し、東京で百年以上の歴史をもつ老舗の集り、東都のれん会のグルメ・名物・暮らしの逸品のマップが付いています。時代小説をもっと深く味わいたい方、江戸情緒を楽しみたい方におすすめします。
読みどころ●大江戸が誇る名所百景を厳選し、歌川広重の「名所江戸百景」や長谷川雪旦の「江戸名所図会」などから、その名所絵を掲載。さらに、そこが舞台となる時代小説を紹介。カラフルな尾張屋板江戸切絵図と現代地図で其の場所を確認すれば、時代小説と名所絵の舞台が目の前に広がる。
「分間懐寶御江戸繪圖」(天保十四年・須原屋茂兵衛版)付録付き。
目次■本書の見方・使い方・全体索引図/第一章 大名小路・外桜田・番町・小川町 [1]御曲輪内大名小路絵図(01 弁慶濠と桜の井)/[2]麹町永田町外桜田絵図(02 霞が関/03 平川天神))/[3]東都番町大絵図(04 九段坂)/[4]飯田町駿河台小川町絵図(05 お茶の水) 第二章 日本橋・内神田・京橋・浜町・愛宕下・赤坂 [5]日本橋北内神田両国浜町明細絵図(06 馬喰町の馬場/07 十軒店の雛市/08 大伝馬町/09 旧吉原大門通り/10 神田紺屋町/11 鎌倉河岸/12 八ツ小路/13 堺町と葺屋町/14 駿河町三井呉服店/15 日本橋魚河岸/16 伊勢町河岸通り/17 神田今川橋/18 弁慶橋/19 本町薬種店)/[6]八町堀霊岸嶋日本橋南之絵図(20 日本橋木原店/21 霊岸島の四日市/22 鎧の渡し/23 永代橋/24 比丘尼橋/25 新川堀の酒問屋)/[7]京橋南築地鉄炮洲絵図(26 西本願寺と波除稲荷/27 築地明石町/28 佃島/29 木挽町の芝居)/[8]芝口南西久保愛宕下之図(30 芝神明宮/31 増上寺三門/32 芝愛宕山/33 青松寺)[9]今井谷六本木赤坂絵図(34 赤坂氷川明神/35 赤坂桐畑) 第三章 四谷・小日向・小石川・本郷 [10]千駄ヶ谷鮫ヶ橋四ッ谷絵図(36 内藤新宿)/[11]市ヶ谷牛込絵図(37 市ヶ谷八幡宮)/[12]礫川牛込小日向絵図(38 牛込神楽坂/39 赤城明神)/[13]東都小石川絵図(40 伝通院)/[14]小石川谷中本郷絵図(41 湯島聖堂/42 神田明神/43 湯島天神/44 妻恋坂) 第四章 下谷・浅草 [15]東都下谷絵図(45 東叡山寛永寺/46 不忍池/47 下谷広小路/48 広徳寺)/[16]東都浅草絵図(49 御厩河岸の渡し)/[17]今戸箕輪浅草絵図(50 猿若町の三座/51 真土山聖天宮/52 吾妻橋/53 新吉原/54 浅草寺/55 東本願寺) 第五章 本所・深川 [18]本所絵図(56 両国橋/57 回向院/58 柳島妙見堂/59 亀戸天満宮)/[19]本所深川絵図(60 富岡八幡宮/61 新大橋中洲三俣/62 深川木場/63 深川洲崎/64 深川万年橋) 第六章 高輪・麻布・青山・千駄ヶ谷・雑司ヶ谷 [20](芝三田二本榎)高輪辺絵図(65 赤羽橋と有馬様/66 御殿山/67 品川月の岬/68 高輪の海辺/69 三田聖坂/70 泉岳寺/71 二本榎/72 高輪大木戸)/[21]東都麻布之絵図(73 薬園坂)/[22]目黒白金図(74 目黒太鼓橋/75 目黒不動/76 広尾原/77 爺々が茶屋)/[23]東都青山絵図(78 金王八幡)/[24]内藤新宿千駄ヶ谷辺図(79 熊野十二社権現)/[25]牛込市谷大久保絵図(80 高田馬場)/[26]雑司ヶ谷音羽絵図(81 護国寺/82 雑司ヶ谷鬼子母神/83 目白下大洗堰/84 姿見橋・俤橋) 第七章 駒込・巣鴨・日暮里・隅田 [27]東都駒込辺絵図(85 駒込富士浅間社)/[28]染井王子巣鴨辺絵図(86 王子稲荷/87 王子滝の川/88 飛鳥山と飛鳥橋/89 板橋宿)/[29]根岸谷中日暮里豊島辺図(90 道灌山/91 谷中天王寺/92 千住大橋/93 呉竹の根岸の里)/[30]隅田川向嶋絵図(94 堀切の菖蒲/95 亀戸梅屋敷/96 鐘が淵/97 隅田川の渡し/98 請地秋葉権現)/[31]東都近郊全図(99 鮫洲海岸/100 真間の紅葉)/掲載作品一覧/東都のれん会
紹介時代小説一覧◆
『五郎治殿御始末』(浅田次郎)、『日無坂』(安住洋子)、『闇を斬る 直心影流龍尾の舞い』(荒崎一海)、『雷電本紀』(飯嶋和一)、『安政五年の大脱走』(五十嵐貴久)『秘する花 刀剣目利き神楽坂咲花堂』(井川香四郎)、『鬼平犯科帳』(池波正太郎)、『剣客商売』(池波正太郎)、『殺しの四人 仕掛人・藤枝梅安』(池波正太郎)、『堀部安兵衛』(池波正太郎)、『高杉晋作』(池宮彰一郎)、『極楽とんぼ 研ぎ師人情始末』(稲葉稔)、『さくら舞う 立場茶屋おりき』(今井絵美子)、『おちゃっぴい 江戸前浮世気質』(宇江佐真理)、『晩鐘』(宇江佐真理)、『破斬 勘定吟味役異聞』(上田秀人)、『天地明察』(冲方丁)、『重蔵始末』(逢坂剛)、『取次屋栄三』(岡本さとる)、『霧の橋』(乙川優三郎)、『五年の梅』(乙川優三郎)、『妻は、くノ一』(風野真知雄)、『耳袋秘帖 妖談うしろ猫』(風野真知雄)、『紋ちらしのお玉』(河治和香)、『新選組 幕末の青嵐』(木内昇)、『降魔の剣 日向景一郎シリーズ』(北方謙三)、『蒼火』(北重人)、『夏の椿』(北重人)、『傷 慶次郎縁側日記』(北原亞以子)、『まんがら茂平次』(北原亞以子)、『逃がし屋 もぐら弦斎手控帳』(楠木誠一郎)、『般若同心と変化小僧』(小杉健治)、『地獄小僧 三人佐平次捕物帳』(小杉健治)、『包丁人侍事件帖 将軍の料理番』(小早川涼)、『巴之丞鹿の子 猿若町捕物帳』(近藤史恵)、『橘花の仇 鎌倉河岸捕物控え』(佐伯泰英)、『密命 弦月三十人斬り』(佐伯泰英)、『酔いどれ小籐次留書 御鑓拝借』(佐伯泰英)、『龍天ノ門 居眠り磐音 江戸双紙』(佐伯泰英)、『照れ降れ長屋風聞帖 大江戸人情小太刀』(坂岡真)、『うぽっぽ同心十手綴り 女殺し坂』(坂岡真)、『品川宿人情料理帖 江戸前七つ星』(嵯峨野晶)、『恵比寿屋喜兵衛手控え』(佐藤雅美)、『お尋者 物書同心居眠り紋蔵』(佐藤雅美)、『町医 北村宗哲』(佐藤雅美)、『八州廻り桑山十兵衛』(佐藤雅美)、『竜馬がゆく』(司馬遼太郎)、『青に候』(志水辰夫)、『やわら侍・竜巻誠十郎 夏至闇の邪剣』(翔田寛)、『出世長屋 十時半睡事件帖』(白石一郎)、『おすず 信太郎人情始末帖』(杉本章子)、『冬の蝉』(杉本苑子)、『逃げ水の坂 口入屋用心棒』(鈴木英治)、『手習重兵衛 闇討ち斬』(鈴木英治)、『八朔の雪』(高田郁)、『花散らしの雨 みをつくし料理帖』(高田郁)、『完四郎広目手控』(高橋克彦)、『だましゑ歌麿』(高橋克彦)、『花合せ 濱次お役者双六』(田牧大和)、『恋の辻占 槍の文蔵江戸草紙』(千野隆司)、『新川河岸迷い酒 霊岸島捕物控』(千野隆司)、『くらやみ砂絵 なめくじ長屋捕物さわぎ』(都筑道夫)、『血みどろ砂絵 なめくじ長屋捕物さわぎ』(都筑道夫)、『幕末剣客伝』(津本陽)、『剣客春秋 里美の恋』(鳥羽亮)、『弦月の風 八丁堀剣客同心』(鳥羽亮)、『流想十郎蝴蝶剣』(鳥羽亮)、『天保暴れ奉行』(中村彰彦)、『円周率を計算した男「空出」』(鳴海風)、『転び坂 旗本与一郎』(羽太雄平)、『いっちばん』(畠中恵)、『ちんぷんかん』(畠中恵)、『へび女房』(蜂谷涼)、『早烏 裏十手からくり草紙』(早瀬詠一郎)、『はやぶさ新八御用帳(一) 大奥の恋人』(平岩弓枝)、『御宿かわせみ 長助の女房』(平岩弓枝)、『知らぬが半兵衛手控帖 姿見橋』(藤井邦夫)、『竹河岸日暮れ』(藤沢周平)、『橋ものがたり』(藤沢周平)、『風光る 藍染袴お匙帖』(藤原緋沙子)、『冬萌え 橋廻り同心・平七郎控』(藤原緋沙子)、『吉原手引草』(松井今朝子)、『非道、行ずべからず』(松井今朝子)、『紅刷り江戸噂』(松本清張)、『ぼんくら』(宮部みゆき)、『夏雲あがれ』(宮本昌孝)、『奸婦にあらず』(諸田玲子)、『お鳥見女房』(諸田玲子)、『おんな泉岳寺』(諸田玲子)、『狸穴あいあい坂』(諸田玲子)、『警視庁草紙』(山田風太郎)、『損料屋始末控え』(山本一力)、『辰巳八景』(山本一力)、『深川駕籠』(山本一力)、『さぶ』(山本周五郎)、『深川鞘番所』(吉田雄亮)、『面影小町伝』(米村圭伍)、『吉原御免状』(隆慶一郎)、『雛の鮨 料理人季蔵捕物控』(和田はつ子)