切腹
(せっぷく)
(しらいしいちろう)
[短編]
★★★
♪単行本時の『異国の旗』からの改題というのが気に入らない。「切腹」というのは、結末を予想させて生々しすぎる。
三編とも、白石さんらしい海の向こうを見据えた作品。表題作は、奉行、艦長、商館長の3つのサイドから描いているだけに長編の方がよかったのでは?
物語●「切腹」文化五年、英国軍艦フェートン号がオランダ国旗を掲げて長崎に入港した…。「朱印船の花嫁」相良千四郎は、故あって御朱印船荒木船に乗ることになった…。「鄭成功」混血児で通事の長二郎は、情事の末に人を殺して福建省へ向かうジャンクに乗った…。