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烏鷺寺異聞 式部少納言碁盤勝負

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烏鷺寺異聞 式部少納言碁盤勝負烏鷺寺異聞 式部少納言碁盤勝負
(うろでらいぶん・しきぶしょうなごんごばんしょうぶ)
篠田達明
(しのだたつあき)
[平安]
★★★★☆☆

タイトルの烏鷺寺は、洛北・長谷御殿町にある龍泉寺のこと。白い鷺と黒い烏が戦うさまから囲碁のことを烏鷺(うろ)というのでそう名付けられた。

「枕草子」の清少納言と「源氏物語」の紫式部が囲碁で対決する。しかも、その背後には、宮廷内の政治抗争が絡み、さらに二人の勝負の行方が都人の賭けの対象にもなっているという。こう聞いただけでワクワクしてくる。

主人公は、二人の才女のほかに、武術家で典薬寮に勤める桐原彦士と、烏鷺寺の寺主のめい・ひさごの二人だ。知的な勝負のほかに、彦士の拳法も楽しめる趣向になっている。
実は囲碁のルールをまったく知らず、興味もまったくなかったが、この本を読んでやってみたくなってしまった。囲碁ファンでなくても十分に楽しめる作品だが、知っていたら何倍も楽しめたであろう。

物語●一条帝の生母東三条院(詮子)さまの快気祝いのために、碁盤勝負が行われることになった。戦うのは、定子皇后のお側に仕える清少納言と、中宮彰子(藤原道長の娘)に仕える紫式部の二人だ。清少納言は伊勢流の使い手て容赦なく大石を殺すために《殺生納言》と呼ばれていた。また、式部は高明流の囲碁の名人で碁敵から《胸裂き式部》とあだ名されていた。五番勝負で行われる二人の勝負の都の人々の耳目を集めることに…。

目次■序章 占術師呂丹の屋敷|第一局 一 烏鷺寺の対戦/二 銀扇の合図/三 楠の木の上|『枕』と『源氏』 一 盤外対決/二 囲碁の手ほどき/三 古屋敷|典薬寮の依頼人 一 四条の家/二 賀陽の依頼/三 立ち会い人たち|第二局 一 少納言気絶す/二 伊周の屈辱/三 典薬寮|第三局 一 大石頓死/二 巴童の手まり|紫式部の里屋邸 一 蛾千坊/二 破眠の術/三 呂丹の女たち|仕切り直し 一 仕切り直しの第三局/二 離れの小庵/三 誘拐|第四局 一 毒入り碁笥/二 脅迫|第五局 一 決定戦の朝/二 道長きたる|死闘 神泉苑 一 浮島の決闘/二 計略の館|才女の闘い 一 左大臣の怒り/二 才女の闘い|終章 別れの丘

装幀:田淵裕一
時代:長保二年(1000年)
場所:洛北・長谷御殿町烏鷺寺、土御門第、四条、神泉苑
(徳間書店・1,800円・98/12/31第1刷・380P)
購入日:98/12/23
読破日:98/12/30

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