芭蕉庵捕物帳
(ばしょうあんとりものちょう)
(しんぐうまさはる)
[捕物]
★★☆☆☆
物語●「黒鍬者又七の死」下肥汲みの元締めの首つり死。「鎌いたち」生類憐みの令にからんで芭蕉の庇護者杉風を強請る鳥指しへの始末。「野ざらし」元数寄屋坊主夫妻の焼死事件と堀田正俊殿中刺殺事件。「初しぐれ」紀伊國屋文左衛門の勃興の謎と材木置場で行き倒れの男。「旅の笈」大川端で見つかった首なしの若い女の背景に、陸奥磐城平七万石内藤家のお家騒動。「薄紅葉」永代寺での勧進相撲とタニマチの旗本奴と平戸松浦藩の確執。「みなし栗」小名木川べりのどぶに頭から突っ込んで死んだ板木彫り殺しが、膳所藩のもぐさと売薬のPR騒動へ。「花かつみ」芭蕉は曽良を連れて奥州へ。曽良の素性と白河藩のお家騒動。「本所松坂町の雪」題名通り赤穂浪士の討ち入りもの。其角の仲間子葉は赤穂浪士の一人大高源吾であった。
三十俵二人扶持に役料十両の本所廻同心・笹木仙十郎は、小名木川に打ち上げられた若い女を手慣れた検死ぶりをみせた師桃青(芭蕉)を知恵袋代わりに使い、難事件を解決していく。
各話には、事件を象徴する芭蕉の句が盛り込まれている。連作ながら話の並びが時代順でないために落ちつきが悪い。また、いろいろなものを欲張りすぎて、消化不良気味なのが残念。
カバーデザイン:成瀬始子
解説:清原康正
舞台:貞享元年から赤穂浪士討ち入り
(福武文庫・600円・96/5/7)
購入日:1996/8/5
読破日:1996/8/23
解説:清原康正
舞台:貞享元年から赤穂浪士討ち入り
(福武文庫・600円・96/5/7)
購入日:1996/8/5
読破日:1996/8/23