[amazon_image id=”4122027950″ link=”true” target=”_blank” size=”medium” ]新選組物語―新選組三部作 (中公文庫)[/amazon_image]
新選組物語
(しんせんぐみものがたり)
(しもざわかん)
[新選組]
★★★★
♪新選組研究のバイブル、子母澤さんの「新選組三部作」の完結篇。多くの新選組小説・時代劇の素材になっている。
『新選組始末記』、『新選組遺聞』と読んできた人へのボーナスのような新選組小説集。著者が集めた資料や聞書きした話を小説の形で再構成し、われわれの前にわかりやすい形で著したもの。「流山の朝」がドラマチックで印象に残る。
『燃えよ剣』の土方歳三や、薄幸の美剣士として描かれることの多い沖田総司に比べて、なんか損な役回りと思っていた近藤勇がしっかりと描かれていて好感がもてる。逆に言えば、ここで近藤勇がしっかりと描かれているために、多くの作家たちは、他の新選組隊士にスポットを当てようとしたのかもしれない。
読みどころ●新選組銘々伝といった観のする「新選組物語」、鳥羽伏見の戦いから流山までの近藤勇の敗走を描いた「新選組」、新選組隊士・稗田利八への聞書き、近藤勇の最期を描いた「流山の朝」などを収録。
目次■新選組物語(隊士絶命記/人斬り鍬次郎/死損ねの左之助/隊中美男五人衆/近藤勇の屍を掘る/壬生心中/かくし女郎/月下の死骸)|新選組(一 流るる水/ニ 黄昏れ近く/三 笑窪/四 吟声/五 墨染/六 敗れて/七 大阪/八 紀州沖/九 江戸の春/一〇 春雨/一一 黒い猫/一二 青年たち/一三 ただ一人/一四 またも敗れて/最後 最後の陣容)|新選組聞書―稗田利八翁思出話|流山の朝|解説 尾崎秀樹