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半蔵の槍

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半蔵の槍
半蔵の槍

(はんぞうのやり)

嶋津義忠

(しまづよしただ)
[忍び]
★★★☆☆

どうも忍者ものは苦手である。かれらが己の特殊技能のみを売りに、ストイックに非情に、また刹那的に生きるために、物語に暗いトーンを醸し出すからである。

物語●亡き服部半蔵正成の秘蔵弟子柘植重兵衛は、戦国忍者の誇りを賭けて、二百名の伊賀忍者を率いて徳川幕藩体制に対して武装蜂起をする。半蔵の残した名槍〔伊賀切〕を切り札に、大御所家康、本多正純、伴太左衛門率いる甲賀忍者、正純の側近で小野派一刀流の名手渡辺兵内、伊賀の支配頭・服部正就ら虚々実々の戦いを繰り広げる。かつて忍者の宿命ゆえに見殺しにした恋人お篠に生き写しの太左衛門の妹・小枝との恋が物語を彩る。

カバー装画:村上 豊
カバーデザイン:熊谷博人
解説:植村修介
舞台:慶長十年(1605)七月
(講談社文庫・660円・1996/09/15)
購入日:1996/09/20
読破日:1996/10/09

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