[amazon_link id=”4101150168″ target=”_blank” ]孤剣は折れず (新潮文庫)[/amazon_link]
孤剣は折れず
(こけんはおれず)
(しばたれんざぶろう)
[伝奇]
★★★★
♪新作中心に追っているせいか、「時代小説SHOW」での大作家作品への評価が低いようなので、時間を見つけて少しずつ名作も読んでいきたい。
尾崎秀樹(おざきほつき)さんの解説によると、この作品は、『剣は知っていた』『美男城』に続く三部作の三作目だそうだ。前2作は読んでいないが、『眠狂四郎』に相通じるものを感じた。
時代は、三代将軍家光のとき。おなじみの柳生但馬守、大久保彦左衛門、春日局、松平伊豆守などが登場する。主人公・神子上源四郎(みこがみげんしろう)は、小野派一刀流の流祖・小野次郎右衛門忠明から、卓絶した天稟を認められ、師の前名(神子上典膳)をもらったという設定。ライバルの柳生のほかに、同門の兄弟子・高垣弥九郎、宮本武蔵の養子で手裏剣の名手・宮本伊織らが絡むチャンバラシーンは圧巻だ。
今までちゃんと描かれることが少なかった宮本伊織の扱いが新鮮。
物語●将軍家の狩猟場に入りこんだ、神子上源四郎は、柳生の門下になった、小野道場の四人と対決し、倒した。その後、空腹を覚え、近くにあった由緒ありげな泰樹を訪れた。そこで、病的なたおやかさをもつ、娘・美音(みね)と出会った…。
三年ぶりに江戸に戻った源四郎は、天涯の孤児であったころ、その剣の天稟を見ぬいて、小野次郎右衛門にあずけてくれた大久保彦左衛門に再会した。源四郎は、その彦左衛門のもとにいた、空斎と呼ばれた小男に、差料を見せ、それが村正の剣といわれ、不吉な剣相をいわれる…。
目次■なし