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禁裏御付武士事件簿 神無月の女

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禁裏御付武士事件簿 神無月の女
禁裏御付武士事件簿 神無月の女
(きんりおつきぶしじけんぼ かんなづきのおんな)
澤田ふじ子
(さわだふじこ)
[捕物]
★★★★☆

最新刊のわりに、四軒目の書店をめぐってやっと購入できた。入荷数が少ないのか、隠れ澤田ファンが多いのか、不思議なことだ。

購入したは、いいがどうも読んだことがあるようなないような変な感じがする。タイトルも聞いたことがあるし、登場人物の名前も覚えがある。でも、ストーリーを覚えていない、そうか別の巻を読んでいたんだ。

澤田さん得意の京を舞台にした傑作時代小説。禁裏御付武士とは、所司代配下で、禁裏や仙洞御所を警固する役目で、寛永二十年に設置された。

元禄十四年が舞台というだけあって、赤穂浪士ゆかりの人物も登場する。

物語●京都御所の警固にあたる御付同心久隅平八は、非番の日には、生薬の行商人に身をやつし〔市歩〕として市中の諜報活動をしていた。ある日、市歩の中で奇妙な話を耳にした。しかも、その翌日話しこんでいた男の一人が鴨川で殺された…(表題作)。
他の収録作品○「短夜の首」(伊豆御蔵島から来た八百比久尼が色茶屋を営むという謎を探る…) 「はかまだれ」(平安時代の公家出身の盗賊袴垂保輔になぞらえ京の町を騒がす盗賊の正体は…) 「名椿の壷」(平八と懇意の信楽の陶工の息子が何者かに襲われそうになった…) 「野狐」(禁裏を舞台にしたあぶな絵の作者と流通ルートを探る…)「鬼の火」(夏風邪をひいて床についた平八を見舞う同僚高田喜四内の顔に翳りが…)「風がくれた赤ん坊」(台風の日、平八は寺の山門で赤ん坊を拾った…)

装幀:中環
解説:菊池仁
時代:元禄十四年
(徳間文庫・495円・95/07/15)
購入日:97/5/7
読破日:97/5/11

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