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物書同心居眠り紋蔵(二) 隼小僧異聞

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物書同心居眠り紋蔵(二) 隼小僧異聞
物書同心居眠り紋蔵(二) 隼小僧異聞
(ものかきどうしんいねむりもんぞう2・はやぶさこぞういぶん)
佐藤雅美
(さとうまさよし)
[捕物]
★★★☆☆☆

NHK金曜時代劇「物書同心いねむり紋蔵」の原作。アクション刑事ドラマの印象が強い舘ひろしが、勤務中でも所かまわず居眠りをしてしまう奇病をもつ、冴えない中年同心を好演。ドラマが思いのほか面白くて、原作の第二弾を読んだ。

意外というかやはりというべきか、2作目でも主人公・紋蔵は剣の達人の割にパッとせず、中年の悲哀を漂わせている。このシリーズは捕物帳というよりは、江戸サラリーマン小説という感じだ。職場や家族間の人間模様が面白い。

また、佐藤雅美さんは、経済時代小説を多く書いているだけに、作品の中で当時の金銭感覚を上手に描いているところも、読みどころのひとつだ。

◆主な登場人物
藤木紋蔵:南三番組物書同心で例繰方
三宅勝之進:南四番組物書同心で吟味方下役
伊勢屋源兵衛:蔵前の札差
繁次郎:伊勢屋手代
お喜代:油屋河内屋の娘
捨吉:人宿八官屋の頭
大久保今助:水戸家出入りのもので、闇の金融元締め
沢田六平:年番与力
松原新三郎:検使与力
民江:新三郎の母
中村八之進:赦帳撰要方
大竹金吾:定廻り
蜂屋鉄五郎:吟味方与力
鉄哉:鉄五郎の次男で部屋住み
稲:紋蔵の長女
安藤覚左衛門:筆頭与力
権兵衛:入牢証文を持たずに牢に五年も牢に暮らす男
お米:大工の女房
金五郎:神明前の岡っ引き
二宮徳兵衛:陸奥棚橋板倉家家来でお使番
岡野誠一郎:板倉家馬廻り役の嫡男で江戸遊学中
万吉:本所緑町の表具職人
加代:万吉の妹
紋太郎:紋蔵の長男
飛騨屋和助:深川の材木問屋
横田美濃守:六千石の大身で御用御側
六兵衛:紋蔵の義父
文吉:砂糖問屋橘屋の元手代
市川初江:北紺屋町の手習塾の主
竹田平九郎:北の吟味方同心で紋蔵の剣術の後輩
源次:三十年ぶりに島から帰ってきた男
駒井帯刀:二千五百石の旗本
恒之助:帯刀の息子
お藤:恒之助の元乳母
お喜代:本所緑町の舂米屋重蔵の妾
次郎兵衛:かつての宇田川町の舂米屋の主人
魚政:棒手振りの魚屋
里:紋蔵の妻

物語●「落ちた玉いくつゥ」“お玉落ち”(俸禄を受け取りに蔵前の札差を訪れた紋蔵がそこで見たものは…。「沢瀉文様べっ甲蒔絵櫛」牢屋見廻り役の松原新三郎が失態を犯し、その顛末がご番所内を吹き抜けた…。「紋蔵の初手柄」何者とも知れぬ男が五年も小伝馬町の牢に暮らしていた…。「罪作り」八官屋の捨吉の紹介で、陸奥板倉家の家臣が紋蔵を訪ねてきた…。「積善の家」紋蔵は、深川の材木問屋飛騨屋に、深川の高級料亭・平清で接待を受けた…。「隼小僧異聞」紋蔵は、義父のところで、十両あまりを店から盗んだ疑いをかけられて暇を取らされた元手代文吉の話を聞いた…。「島帰り」紋蔵のもとに、かつて紋蔵の父に世話になったという島帰りの男が訪ねてきた…。「女心と秋の空」藤木家出入りの畳職人の娘お喜代が妾奉公に出ることになった…。

目次■落ちた玉いくつゥ|沢瀉文様べっ甲蒔絵櫛|紋蔵の初手柄|罪作り|積善の家|隼小僧異聞|島帰り|女心と秋の空

装画:村上豊
装丁:熊谷博人
場所:蔵前、両国広小路、小伝馬町、本所緑町
(講談社・1,700円・97/02/10第1刷・305P)
購入日:98/04/10
読破日:98/08/10

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