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酔いどれ小籐次留書 意地に候

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酔いどれ小籐次留書 意地に候

(よいどれことうじとめがき・いじにそうろう)

佐伯泰英

(さえきやすひで)
[武家]
★★★★

来島水軍流剣法の達人で、元豊後森藩藩士・赤目小籐次(あかめこうとうじ)が活躍する、シリーズ第二弾。中年というか初老のスーパーヒーローの再登場で、ワクワク。

主人公の赤目小籐次は、まもなく五十に手が届く、中年で、五尺一寸(153センチ)の矮躯、お世辞にも格好いいとはいえない。その小籐次は見掛けによらず、来島水軍流剣法の遣い手で、前作では旧主豊後森藩の久留島通嘉の無念を晴らすべく、大名四家(丸亀藩、赤穂藩、臼杵藩、小城藩)を相手に回し、御鑓を強奪し、主君の意趣返しを果たした。今回は、その騒動に起因した逆襲編といったところ。いかに、小籐次が相手を迎え討つかが見どころ。

浪人になった小籐次が、日々の糧を得るために、刃物研ぎの仕事を始めるのが物語のアクセントとなっている。鰻割きをする坂崎磐音や火事場片付けの帳付けを行う金杉惣三郎など、佐伯泰英さんの作品の浪人たちは、剣ばかりでなく、副業をしっかりともち、地に足がついた生活を送ろうとするところに好感が持てる。庶民の生活に根ざした仕事をすることで、市井との関わりが深くなり、物語に人情味が加わるように思われる。

物語●新しく始めた刃物研ぎの材料を取りに竹林に出かけた赤目小籐次は、大身旗本水野監物の奥女中おりょうが、五、六人の無頼浪人たちに襲われるところを助けた。おりょうは、小籐次が十五年来、ひそかに想いを寄せていた女性だった。

かつて、箱根で危難に遭ったところを救った縁で、小籐次は、紙問屋久慈屋昌右衛門の持つ新兵衛長屋に住むことになった。その長屋に、久慈屋が訪れ、先の騒動で威信を傷つけられた肥前小城藩七万三千石の鍋島家の家臣が禄を離れ、小籐次を討ち取るべく一族のものと江戸入りするという話をもたらした…。

目次■第一章 四人の刺客/第二章 夏の雪/第三章 呼び出し文/第四章 御殿山の罠/第五章 小金井橋死闘

カバーフォト:オリオンプレス
カバーデザイン:多田和博
時代:文化十四年(1817)夏
場所:芝口新町、芝二本榎、蛤町、門前仲町、出雲町、神明町、石川島人足寄場、浅草門前町、宇田川町、御殿山ほか
(幻冬舎文庫・571円・04/08/05第1刷・324P)
購入日:04/08/11
読破日:04/08/18

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