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北の海明け

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北の海明け
北の海明け

(きたのうみあけ)

佐江衆一

(さえしゅういち)
[蝦夷]
★★★★☆

開国目前の蝦夷・アッケシ(厚岸)に、官寺を建立し、布教、アイヌ教化を目指す僧たちの活躍を描く風変わりな時代小説である。初めての作者で、土地勘がない、主人公が僧で抹香臭い、どうなるかと思いながら読み始める。まだ半分まで行かないのに、主人公の僧文翁が座脱(座禅を組んだまま死ぬこと、禅僧としての最上の死)する。おいおい、どうなるんだと、不安に思うが、実はこれを機に物語は波瀾万丈度を増し、一気に面白くなる。あとは、読むしかないでしょ。新田次郎賞受賞作。

装画:蠣崎波響
解説:武蔵野次郎(文芸評論家)
舞台:文化元年
(新潮文庫・560円・1996/9/1)
購入日:1996/09/7
読破日:1996/09/14

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