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東亰異聞

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東亰異聞

(とうけいいぶん)

小野不由美

(おのふゆみ)
[ホラー]
★★★★

『魔性の子』や「十二国記」シリーズ、ベストセラー『屍鬼』で知られる、小野さんの作品。第5回日本ファンタジーノベル大賞の最終候補作にもなっている。

ジャンル外かなと思いつつも、「東京」を「とうけい」と読ませること(明治の初めの頃は、そのように呼ばれていたそうだ)に興味を覚えてGetするが、しばらく読み進めるまで、「とうけい」の「京」の字が横棒の一本多い「亰」になっていることに気付かなかった。相変わらず迂闊だな。なぜなら、このタイトルに作者の込めた思いは大きい。
明治二九年と思って飛びこんだわれわれ読者は、いつのまにかパラレルに展開する別世界に迷い込み、そこで起こる怪事件に遭遇することになるからだ。

内容的には関係ないが、京極夏彦さんの作品(京極堂シリーズ)や宮部みゆきさんの『蒲生邸事件』に通じるものがある。

物語●銀町の父親に弁当を届けにきた子供が人魂売りに遭遇した。蕎麦の屋台を引く男が淡路坂で、髪を振り乱した生首が四つ、音もなく宙を飛んでいるのを見た後、居合抜き芸の男に斬り殺された。日本橋吉川町の四階建ての建物の物見台に火炎魔人が現れた。猿屋橋では湯屋帰りの男が闇御前に襲われる。帝都には闇に巣食う怪しげな物売りや人殺しが跋扈する。この事件に挑むのは、浅草界隈でよろず雑事揉め事の仲裁を引き受ける便利屋・万造と帝都日報の記者・平河新太郎…。

目次■序幕 ちかごろ、帝都に跋扈する者ども/第一幕 さて、闇の華とは/第二幕 一方、夜の華とは/第三幕 夜の底、魚の回遊/第四幕 夜の者、満願成就の場/大詰 時代転変/解説 野崎六助

カバー装画:藤田新策
デザイン:新潮社装幀室
解説:野崎六助
時代:明治二九年(1896)
場所:霊岸嶋銀町、淡路坂、日本橋吉川町、猿屋橋、浅草瓦町、浜松町、麻布汐見坂ほか
(新潮文庫・590円・99/05/01第1刷・443P)
購入日:00/07/20
読破日:00/08/04

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