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海援隊烈風録

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海援隊烈風録
海援隊烈風録
(かいえんたいれっぷうろく)
二宮隆雄
(にのみやたかお)
[海洋]
★★★★☆

白石一郎さんの後を継ぐ海洋時代小説の書き手・二宮さんが描く海援隊。面白くならないわけがないといったところか。主人公を、幕末の英雄や明治の高官ではなく、塩飽諸島の佐柳島(さなぎしま)出身の船乗り・高次(たかじ)としたのが、嬉しい。この高次は、終始海の男らしく筋が通っているので、読後感が快い。

現役ヨットマン作家らしく、咸臨丸で、暴風雨に遭遇するシーンの描写が圧巻。

白石さんも時期をほぼ同じくして、塩飽諸島出身の咸臨丸の乗組員を描いた作品『海の夜明け』(徳間書店)を発表されているので、読み比べてみたい。

物語●瀬戸内海、塩飽諸島生まれの船乗り、高次は、勝海舟、ジョン万次郎らと咸臨丸で太平洋を横断。アメリカの先進文明に衝撃を受け、開国の必要性を実感する。だが日本には、攘夷の風が吹き荒れていた。高次は、坂本龍馬と出会い、運命をともにしてゆく…。

目次■第一章 咸臨丸/第二章 脱藩浪人/第三章 神戸海軍操練所/第四章 亀山社中/第五章 海援隊/第六章 明治維新

装丁:西口司郎
時代:安政七年(1860)
場所:太平洋、サンフランシスコ、南小田原町、築地本願寺橋、浅草、京、長崎ほか
(角川書店・1,900円・99/01/30第1刷・296P)
購入日:99/01/30
読破日:99/03/24

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